独身時代6年 + 結婚生活20年のうち、どうやら夫と私は半分以上遠距離生活をしているらしい。びっくりです。
東京と愛知の遠距離恋愛を6年経験したのちに結婚。
結婚後も夫は世界中を、私は日本全国を飛び回る生活。ドイツに来てからも夫は出張が多くヨーロッパ内やアメリカを行き来していました。現在はなんと東京とベルリンの遠距離!
国をまたいだ遠距離生活も気がついたら4年。コロナで自由に行き来できなかった時はまるまる2年間会えない時期もありました。が、夫婦関係はずっと良好。奇跡です本当に。
だって、過去にダメンズをホイホイしたり、付き合っていくうちにダメンズに育ててしまったり、そんな恋愛ばかりしてきた私ですよ。
まさか1人の人と、良い関係を保ちながらこんなに長く一緒にいられるなんて、これを奇跡と言わずになんと言うのでしょう。
遠距離夫婦の会話
ゴールデンウィークを使ってベルリンへ来ている夫と、こんな会話をしました。







そんな平和な会話をしておりました。で、最後に結婚して良かったね、で締めくくりです。
ですが、会話にも出てきたように「遠距離恋愛中です」とか、「夫と離れて暮らしています」などと言うと、いらんことを言ってくる輩が少なからず湧いてくるのですよ。
遠距離恋愛は外野がうるさい
とにかく外野のうるさいこと。
「あ、それ別れるね」とか。「男は絶対に浮気するよ」とか、なんで男だけが浮気するのかも知りませんけど。個人の経験をこの世全てのルールにしてしまうだけでなく、わざわざ相手にそれを言う人っているんです。
母子でベルリンに残り、夫だけが日本へ帰国することになった後は。
「旦那さん、寂しいでしょうね」
「旦那さん、偉いね」
「お前は好き勝手なことやって、旦那に悪いと思わないのか」(実兄から)
・・・あのね。夫はとっくに成人して自分のことを自分でできる大人なの。むしろ、自分だけの面倒をみれば良い夫はラクなのよ。
どちらかといえば大変なのは、わ・た・し!
ドイツ語の世界で、外国人として2人の子供と犬の世話をするのは、私ですから!!
もし逆に私が1人で日本に帰って、夫と子供がドイツに残ったとしても、きっとこう言われるのでしょう。「旦那さん大変ですね」「旦那さんかわいそう」って。
可哀想なのは、そういう価値観のズレたことを平気で相手に言ってしまうあなたのメンタルです。もっと言うと、大の大人なのに奥さんから世話をされないと何もできないあなたや、あなたの夫も。
想像力に欠けた心ない言葉をかけられるたびに、顔ではにっこり笑って「心配してくれてありがとう」と返していました。大人ですから。うふふ。
優しい友人たちの優しい言葉
私たちは、何日も何日も話し合ってこの生活を選びました。いろんな場合を想定して、お互いを心配して思いやって、子供の生活を思いやって将来をシミュレーションして決めたんです。
夫が日本へ帰国する日は「お互いに頑張ろうね!私たちだったら大丈夫!」とがっちりハグをして別れました。
それを理解している仲の良い友人たちは、こう言ってくれました。
「よく決断したね!応援しているよ!」
「英断だと思う。尊敬するわ!」
「何かあったら手伝うよ。いつでも声をかけてね」
などなど。
近所に住む仲良しのルーマニア人家族は「私たちはあなたたち家族のためにいつでも扉を開いておくから、いつでも頼ってね!」とメッセージをくれて、思わず涙ぐんでしまいました。
実際に、今でもいろんな友人の助けがあって生活しています。何より、その優しい言葉が精神的な支えになっています。大好き。
おかげさまで、私たち夫婦も円満な関係を維持することができ、子供もすくすくと…多分、順調に成長しています、多分。
遠距離だから良かったこと
私たち夫婦も26年間ずーーーっと平和に暮らしていたわけではなく、昔も今も、お互いに不満を持つ時だってあります。人間だもの。
結婚当初はお互いの価値観や習慣を擦り合わせるのに苦労しました。だって、生活のルールが違う。相手の行動が目につく。全部指摘してもキリがないし我慢してもストレスが溜まる。皆、どうやってこれを解決しているのだろうと。
そんな感じでストレスが溜まった頃に、タイミングよく夫が出張に行くのですよ。だいたい2週間ほど帰ってきません。ちょっと寂しくなってきたなーって頃に戻ってくる。このサイクルがちょうど良かったんです。
マッチングアプリ大学というサイトに、遠距離恋愛で結婚した人たちへのアンケート結果が載っています。
この中に「遠距離恋愛のメリットは?」という問いがあり、その答えに深く頷いてしまいました。
そう、会えないからこそ相手への思いやりが育てられ、再会した時はいつも新鮮な気持ちになるのです。(ちなみに、アンケート結果には"毎日連絡を取るようになる"とありますが、私たちの場合連絡を取る頻度は多くて週1くらいで、これは昔も今も同じです)
イライラしていたことも、時間が空くと感情が落ち着いて客観的に考えられるようになります。すると、冷静に話し合う余裕ができたり、実は大したことではなかったと気づく。
私たち夫婦には定期的に1人になる時間が必要で、このような生活がちょうど良かったのだと思います。
遠距離がうまくいっている理由
結論から言うと、このひとことに尽きます。
(お互いに)精神的に自立しているから
相手に依存しない、恋愛以外に没頭できるものがある(仕事や趣味など)、つまり恋愛や相手への熱量が同じくらいであることが大前提ではないかと思います。
ただ、遠距離生活も子供が絡んでくると少し事情が違ってきます。私の場合、子供が小学校低学年くらいまでワンオペはキツかったです。夫の出張中はそれこそ友人が親身になって助けてくれて、なんとか乗り越えました。
では現在、東京とドイツの遠距離生活がうまくいっている理由を考えてみると、
- 子供がある程度自分のことをできる年齢になっていたこと(日独遠距離開始当時9歳と12歳)
- 私と夫がお互いに体(の健康)・精神・経済において自立していること
- 夫婦共にのメンタルが安定していること(1人でも楽しみを見つけられる)
- お互いを信頼していること
このあたりがポイントなのかなーと。
遠距離生活・それぞれのホンネ
コロナ禍で大人も子供もリモート生活になっていた頃、夫がポロッと本音を漏らしていました。

そうでしょうねぇ。こっちは大変でしたから!家庭内ロックダウンとかしちゃいましたし。
ちなみに、感情の起伏が激しい私の本音はこれです。
ロックダウン中に夫と一緒にいなくて良かった…。
夫が悪いのではなく、私の心が狭いんです。あんな時期に夫と一緒にいたら、イライラして言ってはいけない言葉をぶつけていたはず。危なかった。
それと、もう一つ本音。
料理のストレスが減った!!
夫は普段から料理や家事を積極的にやるタイプの人ですし、出された料理に文句をつける人ではありません。それでも、私なりに一番気を使っていたのが夫に出す料理だったみたいです。離れて初めて気づいたことで、自分でも驚きました。
夫がドイツへ来ている間はその辺に気を遣って疲れる時もあります。日本からはるばる来てくれた夫を優先した結果、自分が疲れてしまう。それ以外はとても楽しいですし、会えて嬉しいのも本音ですよ!
きっと夫も似たようなところで疲れたり楽しかったりしているんじゃないかな。
そんなわけで、まだまだ続く遠距離結婚生活。せっかくなので良いところ取りをして全力で楽しもうと思います。同じような境遇の方も、外野のヤジはスルーして、理解ある仲間と楽しく過ごせますように!