保護者同伴であれば14歳から飲酒できる国、それはドイツ。最初聞いた時は耳を疑いましたが、本当なんです。16歳以上はアルコールの購入もOK。さすがビールを水のように飲む国!
我が家も息子が16歳になりました。来年は娘が14歳になります。なんとなーく知っているドイツの飲酒可能年齢。ここで一度とドイツの法律を確認しておこうと思います。
未成年に禁止されているもの(アルコール・喫煙等)
ドイツには青少年保護法 "Jugendschutzgesetz" という法律があり、公共の場における危険や悪い影響から青少年を守るために、アルコールや喫煙、外出時間、労働時間、インターネットアクセスなどにおいて規制がかけられています。
Jugendschutzgesetz Alkohol (アルコールにおける青少年保護法・ドイツ語)
Alkohol trinken, Rauchen, Feiern – was sagt das Jugendschutzgesetz?(もう少し細かく説明してあるサイト・ドイツ語)
これらのサイトを参考に、情報をまとめてみました。
14歳〜16歳未満
- 公共の場におけるアルコールの購入・飲酒は原則的に禁止
- ただし、公共の場においても保護者が同伴している場合は飲酒OK
- 飲食が目的の場合は保護者なしでレストランに滞在することができる(23時まで)
- 一般のバー、ナイトクラブ、その他同等の施設への入店禁止
- クラブやパーティーが特定の主催者(青少年協会 Jugendverband もしくは教会コミュニティ Kirchengemeinde ) の場合のみ、保護者なしの滞在OK (24時まで)(14歳以下は22時まで)
- 喫煙禁止(電子タバコ・ニコチン含有関係なく全面的に禁止)
16歳〜18歳未満
- 公共の場における保護者なしでのアルコールの購入・飲酒がOK(ただし、ビール・ワイン・スパークリングワインのみ)
- その場合、酔っ払っていない状態であることが条件
- 飲食が目的の場合は保護者なしでレストランに滞在することができる(24時まで)
- 一般のバー、ナイトクラブ、その他同等の施設への入店OK(24時まで)
- クラブやパーティーが特定の主催者の場合のみ、保護者なしの滞在OK (24時まで)
- 喫煙禁止(電子タバコ・ニコチン含有関係なく全面的に禁止)
成人(18歳以上)
自己責任のもと、なんでもOK! 蒸留酒(スピリッツ)もバーの出入りも、もちろん喫煙もOKです。
ドイツでの飲酒と喫煙・特に気をつけたいこと
未成年が禁止されているアルコールの種類
18歳未満に許可されているアルコールの種類は、3種類。ビール、ワイン、スパークリングワインのみ。
この3種以外の蒸留酒(スピリッツ系)は全面的に禁止されています。蒸留酒というのは、ジン、ウォッカ、シュナップス、リキュール、グラッパ、ウイスキーやブランデーなど、とにかく最初に挙げたビールなど3種を除くアルコールすべてです。
これらの蒸留酒を他のジュースや炭酸水などと混ぜてグラス内の度数を低くしても❌。
もし18歳未満の青少年に蒸留酒を販売したり、飲酒を斡旋した場合は罰せられます。バーやクラブの入店等も同じです。
未成年の喫煙は全面的に禁止
ドイツでは16歳くらいでタバコを吸っている子を見かけます。しかし、罰が与えられるのはあくまでも未成年に販売した業者や許可した成人。吸っている本人には何も罰が与えられません。なので、吸う子は堂々と吸っています。SNSでも吸っている姿やタバコを自分で巻いている姿を普通に投稿しています。
そもそもドイツでは1951年から2007年まで、16歳からの喫煙は合法でした。しかも、16歳未満の喫煙は禁止しつつ販売はOKという、ゆるゆるの法律。
その後2007年に未成年(18歳未満)の喫煙が禁止になりました。(このことを知らなくて、16歳から喫煙OKだと思っている子が多いらしい。息子情報)
2016年以降はニコチンを含むタバコだけでなく、電子タバコなどのニコチンフリーの電子吸入製品などのタバコの代替品も含め、未成年の喫煙が禁止になりました。
また、ドイツ国内すべての学校において、校舎内・学校敷地内の喫煙と飲酒が法律によって禁止されています。それは学校の敷地外の学校イベントにも適用されます。
Rauchverbot an Schulen "Kein Platz für die Sucht"
罰金について
青少年保護法は、その名の通り青少年を保護するための法律。違反した未成年ではなく販売した側、サービスを提供した側、または同席していた大人が罰せられます。
Bußgelder für Verstöße gegen das Jugendschutzgesetz(罰金の金額等)
たとえば、
- 飲食店で蒸留酒を未成年に少量でも与えた場合、最大3,000ユーロの罰金(約45万円)
- 未成年にタバコを許可した場合、最大1,000ユーロ(15万円)
- 未成年をナイトクラブなど入店を許可した場合、最大10,000ユーロの罰金(150万円)
となっています。(レートは2023年5月現在 : 1€ = 約150円)
14歳から飲酒OKなドイツ・若者の実態は?
あくまでも私の狭い人間関係での話ですが。ドイツがいくら14歳から飲酒OKだとはいえ、実際にガンガン飲ませている家はありません。
16歳くらいになると、友人宅に集まったときにお酒を飲むグループもあります。また、息子のクラスメイトで歳上の子にクラブへ連れて行ってもらってお酒を飲んでいる子もいるそうです。(ひえー)
ある友人の子は、毎週末集まってガンガン飲んで吸って楽しんでいるそうです。(ひえー)
ある友人の子は、そういう集まりが好きじゃないから近寄らないと言っていました。
いずれにせよ人にタバコや飲酒を強要したり煽ったりする子がいないことを願うばかり。今のところ、息子の仲の良い友人にお酒好きとか喫煙者はまだいないそうです。←しかし、すごい文化だわ…。
次回、そんなドイツにおいて我が家はどう線引きしているかを書きます。