THE TOWER HOTEL NAGOYAは、「いわゆる高級ホテル」を期待して泊まると、少し戸惑うかもしれません。
その正体は、名古屋のランドマーク・中部電力MIRAI TOWER(旧 名古屋テレビ塔)の中に、テレビ塔の構造をそのまま生かしてつくられた、世界初のタワーホテル。全15室のスモールラグジュアリーホテルで、客室には60年前の本物の鉄骨が、館内には東海地方ゆかりのアーティストたちの作品が息づいています。
標準的な広さや快適さよりも、「ここでしか出会えない空間」を求める人に向いているホテルです。この記事では、THE TOWER HOTEL NAGOYAの基本情報から客室、館内施設、食事まで、鉄骨好きの筆者が母と2泊した本音とあわせてまとめました。
今回宿泊したパークビューツインをレビュー

基本スペック
| ホテル名 | THE TOWER HOTEL NAGOYA |
| 住所 | 〒460-0003 名古屋市中区錦3丁目6-15先 |
| 部屋 | L13 パークビューツイン(41㎡・バスタブ付き) |
| 宿泊日 | 2026年6月上旬・2泊 |
| 料金 | 134,000円/2名・2泊・朝食付き(tripla会員登録で6,700円割引→127,300円) |
| チェックイン | 15:00〜 |
| チェックアウト | 12:00 |
| 駐車場 | あり(有料) |
| TEL | 052-953-4450 |
| URL | https://thetowerhotel.jp/ |
※料金・キャンセル規定は部屋タイプや時期によって変動するため、最新情報は公式サイト・予約プラットフォーム「tripla」でご確認ください。
利用時の注意
- 客室数は15室(4Fゲストルーム13室/5Fスイート2室)とコンパクト
- 支払いは公式サイトからの事前クレジットカード決済のみ
- 子ども宿泊について:大人向けのリゾート空間を保つため、3部屋以上または5名以上の団体、10歳以下のお子様の宿泊はご遠慮くださいとのこと(公式サイトより)。
- バリアフリー:館内はフルバリアフリーで、バリアフリールーム(フォレストビューツイン)も完備。館内での車椅子の貸し出しも行われているそうです。
アクセス
地下鉄名城線・桜通線「久屋大通」駅下車、徒歩5分(セントラルパーク地下街内26番出口より直結)/地下鉄名城線・東山線「栄」駅下車、3番出口より徒歩5分です。名古屋駅からも地下鉄一本でアクセスできる立地です。
ホテルの目の前には久屋大通公園(セントラルパーク)が広がり、オアシス21も徒歩圏内。名古屋城へも地下鉄・バスで移動できる距離にあります。今回はホテル内で過ごす時間を優先したため周辺のお店までは詳しく巡れませんでしたが、次回訪れた際にはこのエリアのおすすめも別途ご紹介したいと思います。
チェックイン
チェックインは15:00、チェックアウトは12:00。フロントで手続きを済ませたら、宿泊者専用ラウンジ「on hold」や宿泊者限定の展望台など、館内の特典施設を自由に楽しめます。
予約は公式サイトの予約プラットフォーム「tripla」から。会員登録をしておくと宿泊料金の割引が適用されるうえ、貯まったポイントは次回の宿泊にも使えます。予約前に会員登録を済ませておくのがおすすめです。
客室レビュー
部屋
部屋に入ると、まず目に入るのがゆったりとしたツインベッド2台。サイズは1100mm×2030mmで、余裕のある広さでした。
窓際にはソファスペースがあり、腰を下ろすと名古屋の街並みが一望できます。この部屋はアーティスト杉戸洋(HIROSHI SUGITO)さんとのコラボレーションルームで、ソファの上には彼の作品がさりげなく飾られていました。
入り口側には洗面台が配置されていて、限られたスペースをうまく使ったレイアウトだと感じました。
そして部屋の真ん中には、パネルで覆われた鉄骨の柱がどんと構えています。この建物がもともとホテルとして設計されたものではないことを、こんなところでも実感します(この鉄骨にまつわる話は、後述の「館内施設」で詳しくご紹介します)。



バスルーム
浴室は壁一面がヘリンボーン張りという凝った仕様。オーナーのこだわりだと聞きましたが、それも納得の圧巻の美しさでした。
目地が斜めに規則正しく組まれた壁は、バスルームというより上質なギャラリーに足を踏み入れたような感覚。無機質になりがちな浴室の印象を、この壁一枚がまるごと変えてしまいます。写真で見るより実物の迫力がすごいので、ぜひ泊まって体感してほしいポイントです。(浴室デザインは、部屋ごとに異なります。)

アメニティ
さらに嬉しかったのが、ギャラリーでも販売している入浴剤が部屋に無料で置かれていたこと。これを湯船に溶かし、照明を落としたバスタブにゆっくり浸かる時間は、旅の疲れが一気にほどけるようなリラックスタイムでした。
アメニティも、ブランドロゴ入りのパッケージがぎっしりと収納された引き出しに、無駄なくジャストサイズで並べられていて、細部までデザインされている印象を受けました。(アメニティの種類は、ごく一般的)

ウェルカムサービス
部屋に着いてすぐテーブルに用意されていたのが、ウェルカムドリンクとスイーツのセット。地元のお茶3種と、それに合わせた一口サイズのお菓子が並んでいて、そのクオリティの高さに「このホテルに来てよかった」と、チェックインしてすぐに思わせてくれました。

館内施設
宿泊者限定の展望台
THE TOWER HOTEL NAGOYAならではの体験が、宿泊者は無料でアクセスできる展望台です。公式サイトにはこうあります。
夜には宿泊者限定の展望台へ。THE TOWER HOTEL NAGOYAに泊まった人だけが見ることのできる特別な景色です。ラウンジのお飲み物を片手に、夜景とともに1日を振り返ってみてください。
実際に夜、展望台から見た名古屋の夜景は本当に綺麗で、母も「来てよかった」と喜んでいました。ライトアップされた鉄骨の骨組みが夜に浮かび上がる様子も、昼間とはまた違う魅力があります。
21時からはレストラン「glycine」でワインダイニングがオープンし、22時からは展望台が宿泊者貸切に。ラウンジのドリンクはそのまま展望台へ持って行けるので、地上90メートルの夜景を眺めながら一杯、なんて贅沢な時間も過ごせます。
またチェックイン時にレセプションで、早朝にも宿泊者限定でアクセスできる時間帯があるとの案内を受けました(具体的な時間は施設状況によって変わるようなので、宿泊される方はチェックイン時にフロントで確認してみてください)。
展望台では、人気漫画家「まめきちまめこ」さんとのコラボ展示「にゃんともまめこなミライタワー」にも遭遇しました。かなり前からInstagramやブログで作品を拝見していた作家さんだったので、思わぬ場所でのコラボに興奮してしまいました。
こちらは期間限定イベントの可能性が高いので、訪問時期によっては展示内容が変わっている可能性があります。最新情報は中部電力 MIRAI TOWER公式サイトでご確認ください。

ラウンジ「on hold」
4階のギャラリースペースにある、宿泊者専用ラウンジ「on hold」もこのホテルならではの楽しみ方のひとつ。元客室をラウンジに改装したそうで、ここにもアートがいっぱいです。
利用できるのは15:00〜18:00と20:00〜23:00(日によって時間が前後する場合あり)。宿泊者は無料で、ワインやウイスキーなどのアルコール、ソフトドリンクを自由に楽しめます。中でもおすすめなのが、愛知県で造られている「知多ウイスキー」。ハイボールでいただくのが美味しいとのことで、地元ならではの一杯です。
チェックイン直後にひと息つくもよし、夕食前後に立ち寄るもよし。「on hold」という名前の通り、一度立ち止まってリラックスできる場所として活用してみてください。


60年前の鉄骨と館内アート
このホテルの最大の見どころは、なんといっても60年前の鉄骨がそのまま客室にも残っていることです。公式サイトの部屋説明には、こう書かれています。
受け継がれる60年前の鉄骨にふれながら、目の前で感じられる登録有形文化財の趣をお楽しみください
4階のレセプションフロアには、むき出しの鉄骨梁が広がるギャラリー空間があります。リノベーションホテルにありがちな「見せかけの鉄骨風インテリア」ではなく、本物の構造がそのまま生きている。これはもう、鉄骨好きにはたまらないポイントです。


名古屋テレビ塔は1954年(昭和29年)開業、日本で最初に完成した集約電波塔です。2005年に国の登録有形文化財に登録され、2022年12月12日には全国のタワーとして初めて国の重要文化財に指定されました。
THE TOWER HOTEL NAGOYAの開業は2020年、つまり重要文化財指定の前のこと。だから客室の案内パネルには開業当時のままの「登録有形文化財」という表記が残っています。「開業当時は登録有形文化財、今はさらに格上げされて重要文化財」という、このテレビ塔を残そうと奮闘した方達に敬意を払うべき歴史を刻んでいる建物です。
もうひとつ忘れてはならないのが、喫煙室に残る奈良美智さんの直筆イラストとメッセージです(筆者は非喫煙者ですが、スタッフの方が案内してくれました)。額装された作品だけでなく、壁にも直筆の落書きのようなイラストと「WORLD PEACE 世界平和。」といった言葉が残されています。
ホテルのスタッフさんに聞いたところ、これには裏話があるそうです。あるイベントでホテルを訪れた奈良さんが「描くよ」とその場でおっしゃり、油性ペンで壁一面に即興でイラストとメッセージを描いてくださったのだとか。まさかそこまでしてもらえるとは思っていなかったホテル側は、慌てて壁をパネルで保護したそうです。しかもノーギャラだったというから驚きです。

各部屋に飾られているアート作品も、この鉄骨と同じくホテルのアイデンティティのひとつ。東海地方にゆかりのあるアーティスト10名の作品が、一室ごとに異なる表情を添えています。全15室というスモールラグジュアリーホテルながら、SLH(Small Luxury Hotels of the World)に加盟し、「アート愛好家のための必見ブティックホテル世界10選」に選ばれたこともあるそうです。
食事
朝食
レストラン「glycine」の朝食は、宿泊者限定のスペシャル和朝食を含め、内容が濃いので別記事で詳しくレビューしています。詳細はこちらをご覧ください。
レストラン「glycine」
レストラン「glycine」では、地産地消の郷土料理を楽しめます。21時からはワインダイニングもオープンし、22時からは宿泊者限定で展望台を貸切利用できるので、ラウンジのドリンクを片手に夜景と一緒に楽しむのもおすすめです。
メリット・デメリット
良かった点
- 本物の鉄骨を生かした唯一無二の建築
- 客室ごとに異なるアート作品
- 宿泊者限定の展望台
- 無料ラウンジ「on hold」
- 朝食の満足度が高い
気になった点
- 館内が暗めで、段差に気づきにくい
- 部屋によっては鉄骨や構造上の制約があり、一般的な高級ホテルほど使いやすくない
- ラウンジのおつまみは価格帯に対してややカジュアル
こんな人におすすめ
- 建築好き:本物の鉄骨構造を残した、唯一無二の空間を体感したい人
- アート好き:東海ゆかりのアーティストの作品や奈良美智さんの直筆イラストを見たい人
- 鉄骨好き:60年前のむき出しの鉄骨に興奮できる人
- 記念日旅行:特別な一夜を過ごしたいけれど、定番のラグジュアリーホテルとはひと味違う体験を求める人
- 名古屋観光:テレビ塔・栄エリアを拠点に観光したい人
定番のラグジュアリーホテルよりも、建築・アート・インダストリアルデザインに価値を感じる人に、特におすすめしたいホテルです。
実際に泊まった感想
ここからは少し、個人的な話をさせてください。
一時帰国中に母を誘って宿泊したのが、2026年6月上旬のこと。60年前の鉄骨が生きたレセプションフロアに足を踏み入れた瞬間から、テンションが上がりっぱなしでした。
喫煙室で奈良美智さんの直筆イラストに出会ったときも、非喫煙者だというのに思わず興奮してしまいました。まさかノーギャラで壁一面に描いてくれたなんて、太っ腹すぎます。
夜、展望台から見た名古屋の夜景は本当に綺麗で、母も「来てよかった」と喜んでいました。ライトアップされた鉄骨の骨組みが夜に浮かび上がる様子は、昼間とはまた違う魅力があります。
良かった点ばかり書いてきましたが、正直に「ここは惜しかった」という点もお伝えしておきます。
ラウンジのおつまみが袋入りの駄菓子だったのは、ワインや日本酒の質が良いだけに少し残念でした。一緒に泊まった80歳近い母も、駄菓子を前に少し戸惑っていたのが印象的でした。
館内は全体的に照明が落とされていて雰囲気は素敵なのですが、その分、段差に気づきにくい場面もあります。実際、母と泊まった部屋は室内にも段差があり、レセプションから客室までの動線もライトが暗めで、足元には注意が必要でした。
前述の通りバリアフリールーム(フォレストビューツイン)という専用の客室タイプも用意されているので、該当する方はそちらを指定するのがおすすめです。
ただ、これは単純な「欠点」というより、このホテルがもともとどんな建物だったかを踏まえると納得できる部分でもあります。全15室という小規模だからこそ実現できた、アート・建築・鉄骨・インダストリアルデザインが好きな人に刺さる、尖ったデザインのホテルなのです。
60年前の鉄骨、国の重要文化財という背景、東海地方のアーティストたちとのコラボレーション、そして宿泊者だけが見られる展望台からの夜景。どれも「ここでしか体験できない」ものばかりで、鉄骨好きとしては大満足の2泊でした。
惜しかった点はありましたが、とーっても満足しております。名古屋旅行で、ちょっと違う視点のホテル体験を探している方には、自信を持っておすすめできます。
後日公開しますが、食事がすごかったんです。これも熱く語る予定なので、お楽しみに。
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熱海のホテルレビューも書いていますので、旅行・ホテル選びの参考にあわせてご覧ください。

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