ギムナジウム受験にて娘に起きた奇跡のことを、当時インスタに書きました。やはりこちらにも残しておきたかったので、娘の許可を得てこちらに転載します。(2020年6月23日の記事を2024年に手直ししました。)
ギムナジウムとはなんぞや?という方は、こちらのほっとドイツさんの記事をご覧ください。わかりやすいです。
では、娘の奇跡の物語をどうぞ。
娘のギムナジウム受験
ベルリンは小学校を6年間通うか、4年間で切り上げてギムナジウム(上級学校)へ進学するか、選ぶことができます。
息子の場合、担任の先生から嫌がらせを受けていたので、担任から離れる目的で早期受験を決めました。理系のギムナジウムを受験し、見事に合格して今も元気に通っています。
その辺りのドラマは、過去記事に詳しく書きました↓
娘はそんな兄を見て育っているので、自分も5年生から同じギムナジウムへ通いたいと言い、2020年2月に受験しました。息子の年よりも倍率が高かったのですが、当時の兄より成績は良かったので、まあ大丈夫だろうとたかを括っていました。
3月、待ちに待った試験結果が封書で届きました。ワクワクしながら娘が封を切ると、そこには「残念ながら…」という書き出しの不合格通知が。
まさかの不合格に激しく取り乱す娘
娘は相当なショックを受け、泣いて泣いて大変でした。体が干からびるのではないかというほど涙を流している姿に、見ているこちらも辛くて…。10歳そこそこの子供にそこまでの経験をさせてしまったことを後悔もしました。
不合格通知には理由も書かれていて、テストの成績が合格ラインに達していないとのこと。
少人数制で、たとえ理系じゃなくても楽しめそうな息子のギムナジウムを気に入っていた私は、内心とても残念でしたが…。
ギムナジウムの試験内容は正解を求めるものではなく、答えが合っていなくても考察力とか推察とか、数学や科学の素質があるかどうかを見抜くテストです。これに落ちたってことは、娘はどのみちこの学校に向いていなかったのかもしれない。
でもまあ、息子の時と違って、娘の現在の担任はすごく良い先生だし、クラスメイトもその親たちも仲が良く、このまま小学校に残ったとしても何も不安がありませんから。今は辛いけど、それはそれで彼女の人生に必要なことが起きたのだろうと解釈することにしました。
事情を知った娘のクラスメイトも、「それは残念だったね。でもまだ一緒に小学校に残れるのはとても嬉しいよ!」と言ってくれ、その言葉に救われた様子でした。
頭を切り替えた後に起きた奇跡
で。
夏休みまであと2日、つまり4年生の学年末まであと2日となった日の夕方。電話に知らない番号からの着信がありました。
いつもだったら知らない番号には掛け直さない事が多いのですが、この時はたまたま掛け直しました。
そうしたら何と息子のギムナジウムの電話番号。しかも校長直々の電話!やだ息子、また何かやらかしたの…?とヒヤリとしましたら、
「急に空きが出たから、もし娘さんにその気があるなら5年生からうちのギムナジウムに来ませんか?」って。
ねえ。
皆さん。
あと2日で4年生が終わるというこのタイミングで、こんな事って起こるのでしょうか。
iPhoneを持ったままポカーンとする私の横で、たまたま側にいた息子も目ん玉ひん剥いて、お母さん!妹呼んでこなきゃ!!とすっ飛んで行きました。
半信半疑の顔で登場した娘は、事情を理解してから、もちろん即答で「行く!!!」と。
小パニックになった私は思わず変なドイツ語であわあわと返答。(←いつものこと)
電話を切ったあと、不合格通知が来た時に考えたことを思い出し、娘に確認しました。もしかしたら勉強難しいかもよ?算数だって今よりずっと難しいことやるんだよ、大丈夫?と。
娘は「大丈夫!勉強する!」と言い、息子は「僕が教えるから!」と援護射撃。(いつもこの位仲が良ければ…)
地獄から天国へ
そんなわけで、娘、ギムナジウムに行けることになりました!!やったーーー!!! それにしても、まさかこんなオチが待っていたとは。
後から聞いたのですが、娘は不合格になってからも、ずーーーっと心の中で進学を諦めきれていなかったそうです。彼女の粘り勝ちかもしれませんね。
以上、娘に起きた奇跡でした。本当に良かった。彼女の新しい生活が楽しいものでありますように。
後日談
そして、ここからはインスタに書いていない内容です。
娘が無事にギムナジウムへ通い始めて、しばらく経った頃。ふと手帳をパラパラとめくっていたら、ギムナジウムの受験前に「娘(名前)、ギムナジウム合格おめでとう!」と書き殴っているページを発見。一行だけ。私、書いてたんだ!
不合格通知を受け取った時、「いつもみたいにノートに書いておけばよかった」と一瞬思ったんですよね。たかを括ってて書いていなかったな、と。でも、自分が忘れていただけで書いていました。
それが少しは助けになったのかどうかなんて、真実はわかりませんが。
書いたことが、少しでも娘の環境を後押ししたのであれば嬉しいなと。やはり書くのはタダだから、なんでも書いておくことですね。
現在8年生の娘は今の学校が大好きで、何度も何度も「この学校に来てよかった」と言っています。本当に良かった。
娘に起きた奇跡②
8年生になって、娘のクラスに転校生の女の子がやってきました。その子が娘にもたらした奇跡とは。続きはこちら。