ドイツ育ちの息子(15歳)が日本へ3ヶ月間、逆留学しました。我が家は日本人ファミリーなので、息子はどこからどう見ても日本人。ところが、日本語を喋るとたまにカタコト。読み書きは漢字とカタカナが小学校低学年レベル。
もしかして、その辺を日本の学校でバカにされたりしないかな…?という親の心配をよそに、息子はとーっても優しいクラスメイトととーーっても親切な先生方に歓迎してもらい、あっちゅーまにクラスに馴染み、日本の学校生活を1000%満喫して、ホクホクした顔でドイツへ戻ってきました。日本でお世話になったすべての皆様、土下座する勢いで感謝しています!ありがとうございました。
ドイツへ帰国ほやほやの息子に何か質問ありますか?とInstagramで募集をかけたところ、自分では思いつかないような質問が色々と集まりました。(ご協力いただいた皆様、その節はありがとうございました!)
で、その内容をツイートしたらバズったり、まとめサイトに載ったりしたよって報告をしたのが前回の投稿。
留学までの手続きや準備などについても触れたのは、「外国育ちの日本人が日本の私立校に短期留学する」という情報が少なくて苦労したから。どなたかのお役に立てたら嬉しいです。
今回はいよいよQ&A。インスタやTwitterには載せきれなかった内容も少し足しました。
息子 - 日本への逆留学に関する【Q&A】
イベント・友人編
Q: 一番楽しかった場所は?
A: クラスメイトと一緒に行ったラウンドワン。
Q: 日本の学校生活で一番思い出に残っていることは?
A: 修学旅行。
Q: 日本人の同級生たちは幼く見える?おとなしい?
A: 幼く見えるし、実際おとなしい。(チャラくなく、真面目だという良い意味でだそうです)
Q: ドイツと日本の同級生で、盛り上がる話題の内容に違いはある?
A: 特に違いはない。
Q: 日本女子とドイツ女子とで、胸キュン度など違いはあった?
A: 日本の女の子はKAWAII感じ、ドイツの女の子はきれいな感じ。胸キュンはよくわからない。
日本の子の方が学校や親からの縛りが多くて、それに沿って生活している(せざるを得ない)ように見えた。ある意味守られていて、それはそれで悪いことではないのかもしれないけど。
ドイツの子はもっと自由だから、自分で考えて行動しなくてはならない場面が多い。
それがメンタルに影響を与えるのかも。
学校編
Q: 日本の学校はどうだった?
A: 最高だった!嫌な思いをしたことが一度もなかった。生徒も先生も親切で優しく、いじめなども一切なかった。
Q: 日本の学校を体験して改めて気づいたドイツの学校の良さは?
A: 授業中に積極的に手を挙げて自分の意見を言うところ。それぞれに自分の意見を持ちそれが他人と違っているのは当たり前だと知っていること。
Q: 日本の学校で驚いたことは?
A: 生徒が授業中に喋らず先生の話を黙って聞いていること。テストが多い。(この発言を掘り下げたのが次回の投稿になります)
Q: アメリカに留学した時、欧州から来た留学生は主張が強いことに驚いた。なぜ?
A: 自分の意見を持ちそれをはっきり相手に伝えることが大事だという教育を受けているからでは。
Q: 日本人がconflictを避けたがるのは、debateの訓練を受けていないからだと思う?
A: そうだと思う。(息子の学校では中1からdebateの授業が始まります)
文化編
Q: 昔から日本で暮らしていたら今の自分とは内面が違っていたと思う?
A: 違っていたと思う。
Q: 日本に住んでみて、ドイツとどちらが住みやすいと思った?
A: 安全面では日本。毎日変化があり刺激を受ける楽しさはドイツ。
Q: 日本の良いところは?
A: 人が親切、街がきれい(ベルリンは落書きが多い)、空がきれい、ご飯が美味しい、安い、安全、人が真面目
Q: ドイツの良いところは?
A: 犬や動物に優しい国、人混みが少ない、空気がきれい、建物のデザインがきれい
Q: 日本とドイツ、就職するならどっち?
A: ドイツかな。しっかり休みが取れるから。
Q: 日本で一番楽しかったこと、一番辛かったことは?
A: 全部楽しかったけど、やっぱり学校生活。日本で同い年の子とこんなに長く過ごしたのは初めてだったから。辛かったことは全くない!
まとめ
日本へ逆留学して良かったこと
- 日本語(読み書きしゃべり)がめっちゃ上達したこと(当たり前)
- 日本の良いところだけではなく、問題点にも気づいたこと
- 日本での体験を通じて、ドイツという国を客観的な視点から分析できるようになったこと
- つまり、視野が一気に広がったこと
- 知らない世界に飛び込むことの価値を知ったこと
- 家族と離れたことで、家族からの愛情と家族への愛を実感したこと
- トータルで、自分に自信を持てるようになったこと
母の感想
息子はとてもラッキーなことに、良いホームステイ先、良い学校、良い先生、良いクラスメイトに恵まれてこのようなポジティブな感想を持ってくれました。(もちろん事前に条件書きしました!)もし環境が違っていたら全く異なる感想だったのではないでしょうか。
その上、この3ヶ月間は学校祭、体育祭、修学旅行などイベント満載だっただけでなく日本の学校でのテストも免除された息子。日本のいいとこ取りの逆留学、そりゃ楽しかったよね〜。日本が大好きになって戻ってきた息子の姿を見て、お世話になった皆さまにどれだけ感謝しても足りないくらいです。
インスタで募集した質問の内容もさまざまで、とても楽しい経験でした。15歳の息子が想像よりも細かくドイツと日本の文化を観察していたことと、はっきり自分の意見を口に出したことに驚きました。もっと何も考えていないのかと…(ごめん)。
ちなみに、日本でピチピチした中3男子たちから「ナマの日本語」とやらを学んできた息子は、ヒゲダンやYOASOBIなど日本のヒット曲を聴くようになり、「ヤバい」「エグい」を連発しております。楽しかったんだねぇ。
次回、日独の教育の違いに触れます。