自家製バーガー

子育てってやつ

子どもは適度にヒマがいい、肴は炙ったイカでいい

ヒマすぎる子どもは何をしでかすかわからないから、動きを止める前に何か仕事(やること)を与えた方が良いと思っていたし、ちょっと前までは実際その通りだったと思うのですが。今回13歳と16歳の子どもにヒマすぎる時間を作ってみたら、意外に悪くなかったよ、という話です。

ドイツにお住まいの皆さんは2週間のイースター休暇をどうお過ごしでしたか?

日本の皆様は、2週間の休暇があったら何をされるのでしょう。

我が家は小旅行することもあるんですけど、今年はどうしても私の気が乗らなくて。珍しく、2週間何も予定を立てず家にいました。

もちろん、娘と美味しいものを食べたり、森へ行ったり、映画館へ行ったりはしましたよ。子どもたちもちょくちょく友人宅へ泊まりに行って、好き勝手やっていました。が、基本ヒマ。

その結果どうなったでしょう。

予定のないヒマなイースター休暇【 前半】

地味に過ごしている我が家とは違い、娘や息子のクラスメイトは精力的に旅行をしている様子。その様子をSNSで眺めながら大きめの声で「いいなぁ」と呟かれたりもしたのですが。

ガンとして聴こえないふりを決め込み、私はいつも通りの生活をしていました。

相変わらず朝早く起きて、リアをトイレに連れてってご飯を食べさせて。自分も食事を軽く済ませて仕事を少しして、午前中のうちにリアを散歩に連れて行って。

そんで帰ってきて仕事を再開しようと思うタイミング、昼前くらいにこれまた、子どもがヒマそうに起きてくるじゃないですか。そんで眠そうな顔して言うじゃないですか。「ご飯は?」って。

それに対応していたら、私一日中何もできなくなっちゃいますからね。あなたたちは休みかもしれないけど私は仕事をしていますからね。

聖母のように穏やかな表情で説明いたしました。イースターですしね。子どもたち、ちょっと怯えてた気がしないでもない。

というわけで自分たちでご飯を準備してもらうことにしました。掃除もいつもより広範囲でやってもらうことにしました。もちろん、私も時間がある時はやります。でも、どう見たって私よりはるかにヒマそうな子どもが2人

不満そうにしていましたが、何度も穏やかに説明しては不気味がられていました。

子どもに変化が起きたヒマなイースター休暇【後半】

後半はそれぞれのペースが掴めるようになったからか、家族間の摩擦も少なくなってきました。家の中の雰囲気が良くなってきた、そんな休暇後半。

突然、娘が「料理したい!」と言い出したのです。父さん事件です!

娘は、ズッキーニと植物製の生クリームを使って、クリームパスタを作ってくれました。それが文句なしに美味しくて。手放しで褒めたら、また作ってくれましたんです。スーパーへ買い出しに行って、いちごのショートケーキを作って、またパスタを作って、最終日の日曜はアラビアータに初挑戦。これもとてもおいしかった!どうやらスイッチが入ったらしい。

息子は息子で、部屋を掃除し始め、自分で作ったご飯を私に分けてくれて(どっちが親)、スペシャルなハンバーグサンドを作ってくれた日もありました。前半と別人のよう。一体どうしたの!?

子どもはヒマだとやる気が出る生きもの(かもしれない)

うちは子どもが料理をするにはするのですが、毎週作っているわけではありません。1ヶ月に1度あるかないか、もっと長いスパンか、そのくらいです。

でも休暇最後の数日間は、毎日子どもが作ってくれる美味しい料理を食べることができたんです。その間、私は全く料理をしなくて済みました。

聞いてみました。どうして急に料理するようになったの?と。

2人は答えました。「何もしない時間がいっぱいあったから、やりたいことがたくさん出てきた。やる気が出てきちゃった」ですって。

そういえば幼稚園の園長先生が仰っていことがあります。「子どもはヒマしているくらいがちょうどいい。アイディアとか好奇心というのは、ボーっとしている時間にふと湧き上がってくるものですよ。」って。

とっくに幼稚園児を卒業して多感な10代なんですけどね。この、ボーッとしている時間にアイディアとか好奇心が湧き出るというのは真実だと思うのです。だって、48歳の私だってそうなのですから。

瞑想と一緒・ヒマは正義

瞑想は心を白紙の状態に戻す行為とも言われています。「出せば入る」との言葉の通り、普段の生活で心に溜まってくる雑音を一度クリアにする。そうすると悩んでいたことが解決したり、ふとアイディアが湧き出たりするそうで。

学校がある時はきっと雑音がたくさん溜まっているでしょうから。子どももヒマを持て余しているうちに心に余白が生まれて、何かをしたくなったのかもしれませんね。

あと、親があれこれやり過ぎるのも良くないかもしれません。知らんけど。

どこへも旅行していないのに大満足に終わった2週間。子どもたちはなぜか「楽しかった!」と言っていました。

でも、最後の最後、寝る前に娘に言われてしまいました。

夏休みは、少しだけでもいいからどこかへ旅行したい。

って、しみじみと。

アラビアータ
ペンネがなくてフィジリで作ったアラビアータ。娘が作ってくれました。チーズを削るのは息子の仕事。

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