ドイツの教育事情

ドイツと日本・学校の違いQ&A【逆留学②】

2023年4月16日

日独の学校の違い、どんなところで感じたのでしょうか。

ドイツ育ちの息子(15歳)が日本へ3ヶ月間、逆留学したので、色々と質問してみました。

我が家は日本人ファミリーなので息子はどこからどう見ても日本人。しかしながら日本語を喋るとたまにカタコト。加えて読み書きは漢字とカタカナが小学校低学年レベル。

もしや、その辺を日本でバカにされたり…という親の心配をよそに、息子はとても優しいクラスメイトと親切な先生方に歓迎してもらい、あっちゅーまにクラスに馴染みまして。日本の学校生活を1000%満喫して、ホクホクした顔でドイツへ戻ってきました。

日本でお世話になったすべての皆様、スライディング土下座する勢いで感謝しています!ありがとうございました。

そこで、ドイツへ戻ってきたばかりの息子に何か質問ありますか?とInstagramで募集をかけたところ、自分では思いつかないような質問が色々と集まりました。(ご協力いただいた皆様、その節はありがとうございました!)

では、いよいよ逆留学へのQ&Aへ。インスタやTwitterには載せきれなかった内容も少し足しました。

Q: 一番楽しかった場所は?
A: クラスメイトと一緒に行ったラウンドワン。

Q: 日本の学校生活で一番思い出に残っていることは?
A: 修学旅行。

Q: 日本人の同級生たちは幼く見える?おとなしい?
A: 幼く見えるし、実際おとなしい。(チャラくなく、真面目だという良い意味でだそうです)

Q: ドイツと日本の同級生で、盛り上がる話題の内容に違いはある?
A: 特に違いはない。

Q: 日本女子とドイツ女子とで、胸キュン度など違いはあった?
A: 日本の女の子はKAWAII感じ、ドイツの女の子はきれいな感じ。胸キュンはよくわからない。

ところで日本人の同級生が幼く見える件。そんなに違う?
jucom
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息子
息子
まあ、ドイツのクラスメイトは身長が180cm超えてる子が多いし、女の子も僕 (171cm) より背が高い子がいっぱいいるからね。
大きい子多いものね。でも、内面も日本の子の方が幼く感じたのはなぜだろう?
jucom
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息子
息子
幼いというのは決して悪い意味ではなくて、純粋というか。
日本の方が学校や親からの縛りが多いように見えた。でもそれはある意味守られているということだけどね。
ところがドイツの子はもっと自由だから、自分で考えて行動しなくてはならない場面が多い。
それがメンタルに影響を与えるのかも。
確かに私が中高生の時も、個人の意志よりも集団行動のルールを守ることを優先しなくてはならなかったものなぁ。それにしても、守られているという見方もできるのは新しい発見。
jucom
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Q: 日本の学校はどうだった?
A: 最高だった!嫌な思いをしたことが一度もなかった。生徒も先生も親切で優しく、いじめなども一切なかった。

Q: 日本の学校を体験して改めて気づいたドイツの学校の良さは?
A: 授業中に積極的に手を挙げて自分の意見を言うところ。それぞれに自分の意見を持ちそれが他人と違っているのは当たり前だと知っていること。

Q: 日本の学校で驚いたことは?
A: 生徒が授業中に喋らず先生の話を黙って聞いていること。テストが多い。(この発言を掘り下げたのが次回の投稿になります)

Q: アメリカに留学した時、欧州から来た留学生は主張が強いことに驚いた。なぜ?
A: 自分の意見を持ちそれをはっきり相手に伝えることが大事だという教育を受けているからでは。

Q: 日本人がconflictを避けたがるのは、ディベートの訓練を受けていないからだと思う?
A: そうだと思う。(息子の学校では中1からディベートの授業が始まります)

息子
息子
先生が親切だったことにめちゃくちゃ驚いた!休み時間に勉強を教えてくれたり、プライベートな話で盛り上がったり、親しみやすくて家族のような雰囲気だったよ。それに比べて…
ドイツの学校(息子の学校)ではあり得ないね(笑)。でも日本も学校によって全く違うから、今回は本当にラッキーだったね。
jucom
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息子
息子
日本でお世話になった担任の先生にドイツに来てもらって、僕のクラスの担任になってもらいたいなぁ。

Q: 昔から日本で暮らしていたら今の自分とは内面が違っていたと思う?
A: 違っていたと思う。 

Q: 日本に住んでみて、ドイツとどちらが住みやすいと思った?
A: 安全面では日本。毎日変化があり刺激を受けるのはドイツ。

Q: 日本の良いところは?
A: 人が親切、落書きがない、空がきれい、ご飯が美味しい、安い、安全、人が真面目

Q: ドイツの良いところは?
A: 犬や動物に優しい、人混みが少ない、空気がきれい、建物のデザインがきれい

Q: 日本とドイツ、就職するならどっち?
A: ドイツかな。しっかり休みが取れるから。

Q: 日本で一番楽しかったこと、一番辛かったことは?
A: 全部楽しかったけど、やっぱり学校生活。日本で同い年の子とこんなに長く過ごしたのは初めてだったから。辛かったことはない!

息子
息子
日本で欧州のような人種差別は経験しなかったけど、悪意のない差別が浸透していると思った。
それはなんとなくわかる。(政治家が公の場で国際的にタブーなことを発言してるしs…)
jucom
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息子
息子
驚いたのは特に男女のこと。「あれは女子だから仕方ない」とか「男子だから」とか、疑問を持たずに口に出していたのに驚いた。
それは日本で差別という認識はほぼ無いんじゃないかな。私もどっぷり日本で育ってきたから、正直今でも「それまで差別になるの??」と戸惑うこともある。男女の件は特にね。欧州の「差別」に関するボーダーラインは、長く住まないとわからないだろうなぁ。
jucom
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  • 日本語(読み書きしゃべり)がめっちゃ上達したこと(当たり前)
  • 日本の良いところだけではなく、問題点にも気づいたこと
  • 日本での体験を通じて、ドイツという国を客観的な視点から分析できるようになったこと
  • つまり、視野が一気に広がったこと
  • 知らない世界に飛び込むことの価値を知ったこと
  • 家族と離れたことで、家族からの愛情と家族への愛を実感したこと
  • トータルで、自分に自信を持てるようになったこと

息子はとてもラッキーなことに、良いホームステイ先、良い学校、良い先生、良いクラスメイトに恵まれてこのようなポジティブな感想を持ってくれました。(もちろん事前に条件書きしました!)

一歩間違えれば、全く違った感想になっていたのでは。

実は、この3ヶ月間は学校祭、体育祭、修学旅行などイベント満載、それだけでなく日本の学校でのテストも免除された息子。日本のいいとこ取りの逆留学、そりゃ楽しかったよね〜。

日本が大好きになって戻ってきた息子の姿を見て、お世話になった皆さまにどれだけ感謝しても足りないくらいです。

インスタで募集した質問の内容もさまざまで、とても楽しい経験でした。

15歳の息子が想像よりも細かくドイツと日本の文化を観察していたことと、はっきり自分の意見を口に出したことに驚きました。もっと何も考えていないのかと…(ごめん)。

ちなみに、日本でピチピチした中3男子たちから「ナマの日本語」とやらを学んできた息子は、ヒゲダンやYOASOBIなど日本のヒット曲を聴くようになり、「ヤバい」「エグい」を連発しております。

次回、歴史教育の違いに触れます。

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