条件書きをして転入した学校が合わなくて、急きょ進学することにした息子の話です。条件書きのカラクリ。
2016年9月から新4年生としてベルリンの小学校へ通い始めた息子。
条件書きしたし、今までみたいにきっと良い学校だろう。卒業する6年生までずっと楽しく通うことになるに違いない。私はすっかり安心し切って子供を学校へ送り出していました。
笑顔が消えた息子
ところが入学してしばらく経った時。学校へ通えば通うほど、息子の表情がだんだん暗くなっていきました。前の学校では、毎日登校するのを楽しみにしてニコニコしていた息子です。こんな息子の表情を見たことがなかったのでとても心配になりました。
そしてある日、とうとう学校から帰ってきた息子が泣き出してしまったのです。それは「あること」が理由でした。
その「あること」が原因で、この後私たちは息子のギムナジウム進学を2年早め、もう一度条件書きをし、5年生からギムナジウムへ進学することを決意したのです。
条件書きしたはずなのに
ま、結論から言うとですね、理由の「アレ」とは担任の先生のことなんですわ。
この先生は50代のいわゆる古いタイプの保守的な人間でした。自分の「常識」やルールからはみ出ることが嫌い、はみ出る人も嫌い。私が個人面談した時は真顔で嫌味を言われ、決して良い印象は持てませんでした。加えて、残念なことに彼女からは生徒たちへの愛情が全く感じられませんでした。
息子はその先生から一方的に罪を押し付けられ言い分を全く聞いてもらえなかったり、クラス全員の前で晒し者にされるようなことを言われたり、数え切れないほどの嫌な思いをさせられました。(ちなみに現在進行中)
もちろん息子だけがターゲットにされたわけではありませんが、新しくクラスに入ってきて大人しくしていた息子は、彼女にとって機嫌が悪い時にあたりやすい存在だったのでしょう。
前の学校は担任がとても良い先生だったので余計にショックでした。息子は学校へ向かう時に憂鬱な顔をし、私はその姿を見ていて「頑張れ」だなんて軽々しく言うことができませんでした。
解決策は進学?
悩んで悩んで、よっぽど校長先生にチクろうかと思いましたが、この小学校では4年生から6年生までの3年間は担任が変わりません。校長に言ったところでこの先生の本質が変わるわけでもありません。結局3年間はこの人と付き合わなければならない。悩んでいた時に、ふと「そっか、5年生からギムナジウムに行く、進学という選択肢もある」ということを思い出したんです。
そこで息子に相談してみました。そうしたら即答で「行きたい!」と。
「ぼくは科学や化学が好きで、いろんなことを本から学んだけど、もっと自分で実験してみたいしいろんなことを知りたい!」なんて親バカ心をくすぐるようなことを言いやがるんですよ。この子天才かもしれん(親バカ)。
その頃はもう10月になっていて、5年生からギムナジウムに行く予定の子たちは志望校を決めている時期です。でも私はベルリンに来てまだ2ヶ月強で、ベルリンのギムナジウム事情なんて全くわかりませんでした。
一歩進むための条件書き
慌ててギムナジウムのことを少しずつ調べました。でもネットの情報だけでなく、移民、できれば日系人やアジア人から直接情報を聞きたいのに自分にはまだそういう友人がベルリンにはいない。もちろん担任の先生には相談したくない。
そんな状況の時に娘は娘でクラスメイトとの人間関係で問題が浮上し、そっちはそっちで心配で。あの頃は本当に心と脳がパンクしそうでした。
もう自分の力では限界。これは必殺技「条件書き」をするしかない!というわけで書きましたよ、ギムナジウムの条件を。そうです、目的達成までの手段方法が見つからない時にこそ条件書きをするのです!
そんなこんなであっという間にひと月が経ち、11月のある日のこと。手詰まりだった私にとうとうネ申が降臨したのでした。
③に続く。