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犬と暮らす

確実に呼び戻すコツ【ドイツのドッグスクール⑤】

2020年4月27日

今回は、犬を確実に呼び戻すコツをお話しします。

この時点でリアはずいぶん問題行動が改善されてきて、トレーニングも楽しくなってきていました。が、呼び戻しに関してはなかなかうまくいかず。

確実に呼び戻すコツなんてあるのでしょうか。ベルリンのドッグスクール Zwanglos 校長・ステファンに相談してみました。

※これは2018年秋の話です。

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前回の記事はこちら↓

呼んだら確実に戻ってきてほしい

まず、うちの可愛いリアはですね、とにかく戻ってきやしない。

その頃は、公園などで何かに夢中になっているリアに「来い!」と叫んでもほとんど無視されていました。他の犬に絡んでいる時も無視ですし、拾い食いをしている時なんて、もう絶対に邪魔なんてさせるものかという気迫で食っています。

やめさせようと近づけば逃げる、私たちがわざと遠ざかっても追いかけてこない時さえあります。

道路を渡っていってしまったこともありますし、本当に困っていました。

ずっとリードをつけていれば良いのですが、せっかくドッグフレンドリーな環境に暮らしているのです。せめて1日に1度くらいはリードを外して運動させてやりたい、そんな葛藤と戦う毎日でした。

ネットを検索すると、とてもわかりやすく動画付きで説明しているドッグトレーニングのサイトがいくつもヒットします。でも、見様見真似でやっても全然うまくいきません。

すると我らがステファンは、「簡単だよ、呼び戻すコツがあるんだ。」って言うではありませんか。ほんまかいな。

一心不乱に拾い食いしているうちのリアを、「簡単に」呼び戻すこと、あなたにできる?

…とは本人には言わず(言えず)、黙って彼の話に耳を傾ける私たちでした。

確実に呼び戻すトレーニング

確実に犬を呼び戻すトレーニング

①朝、餌を家で与えず、トレーニングのご褒美として与える。お腹がぺこぺこの状態でしつけをすることが肝心。(③【ボスの座奪還】編参照)

② 5m〜10mの長さの訓練用のリードをつけて、公園など、周りに人がいない場所で訓練開始。犬にとってお気に入りのご褒美(餌)も忘れずに。まずは近い位置から「来い」と呼んでみる。来たらすぐご褒美。

③ わざと他の遊びに夢中になっている時に「来い」と呼ぶ。来たらすぐご褒美。

※注意 指示は2回まで。2回「来い」と言って戻ってこなかったらリードを掴んで引き戻す。この時にご褒美は無し。

以上のことを明日からやってごらんと言われ、半信半疑でその日は帰宅しました。

さて。次の日。

教わったトレーニングを真面目にやってみた

この日から私たち飼い主も生まれ変わると決めました。

お腹をすかせて皿の前でピシッとおすわりしているリアをスルー。いつもは朝ご飯として与えているウエットフードをミキサーで攪拌し、持ち運び用のチューブに入れました。

最初に庭で長いリードをつけ、人間が2カ所に分かれて交互にリアを呼ぶ、という練習をしました。

うまくいった後は公園へ移動。

リアをリードにつなぎ、門の前でお座りできたらチューブからちょろっと餌を出して舐めさせる。

歩道を渡る時に「ストップ」と言って止まれたら舐めさせる。

これを繰り返しながら徒歩数分の公園へ到着。当然ですが、少しの距離なのにめっちゃ時間がかかります。でも、これも訓練ですから!

トレーニングの成果

公園に着くと、さっそくリアは芝生の上を走り回り、いつもの若く興奮してはしゃいでいました。しばらくうろうろしていたと思ったら、誰かが芝生に捨てていった食べかけのジャンクフードを漁ろうとしているではありませんか!そこで、大きな声で呼んでみました。

「Komm!!」(来い)

すると、パッとこちらを振り返ったリアが一目散に私のところまで戻ってきたのです!家族一同、「おおおお〜!!」と歓声をあげてしまいました。

すごい!ステファンすごい!もちろんご褒美も忘れずに与えました。

だって、拾い食いはリアにとって最上の喜びだったのですよ。それがまさか、本当に戻ってくるとは!

拾い食い < 飼い主(ごはん)

めでたく優先順位がアップしました。ま、飼い主ではなく餌にでしょうけど。

ポイント

・犬がお腹をめっちゃ空かせていること。
・飼い主が大好きな餌を持ち歩いていることを犬が知っていること。
・一語で簡潔にコマンドを出すこと。

大事なのはこれを練習し続けることだそうです。ある時期は出来ていても、犬は様子を見て手を抜くから、定期的に基本に戻って「2組に分かれて交互に名前を呼ぶ」練習はした方が良いとのことでした。

※「待て」ができる犬の場合は、待てをさせてから「来い」の練習でも良いそうです。

さあ、これでリアもしっかり私たちのところへ戻ってくるようになったし、公園でも思いっきりリードなしで走らせることが出来る。よかったなぁ。

……って思うじゃないですか。

めでたしめでたしって思うじゃないですか。

更なる課題

この後、私たち家族にさらなる試練が待ち受けているとは知らず、この時はただただ達成感に浸っていたのでした。アフォみたいな顔して。

次回、ドックスクール最終回です。

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