「子供が何かを話してくれる時は、"話を遮らない" "ジャッジしない" を心がけてきたのよ。」
ずいぶん前に友人のお母様からアドバイスいただいた、この教えを根気よく守り続けた結果、息子と娘が、思春期の割には意外に色々と話してくれる子に育っているっぽいので、忘れないうちにここに書いておくことにしました。
私がアドバイスを仰いだお母様は、娘さん(私の友人)ととても仲が良いのです。かと言って共依存しているわけでもなく。
ユーモアもたっぷりで、いつも笑わせてくれるその2人のことが私は大好きなんです。
で、自分の子が幼稚園に通っていた頃にお母様に質問しました。
「どうすればあなたたち親子のような関係を作れるのか」と。
そのお母様の回答は、一生忘れません。本当に良いことを教えてもらい、今でも感謝しています。
今回は、そんなお話を。
最後に息子へのインタビューも載せています。(まさかの回答をもらいました!)
「否定しない」「話を遮らない」という指針
友人のお母様が教えてくれたのは:
「子供が話してくれることは、話を遮らない、否定しないこと。内心ひっくり返るような内容でも、それが既に子供の中で解決したことなら、ただ話を聞くだけに徹する。アドバイスをしたり、過去の行動を責めることは一切しない。」
なんて潔い!しかし、私、全く自信がありません!
でも、自分の子供時代を思い出すと、もっと親にこうして欲しかったということがたくさんあるんですよね。ちなみに私は大事なことを絶対に親には相談しない子供でした。私のアイディアも選択も、たいてい否定されることが多かったからです。
まあ、私も自分の生き方や子育てが「その他一般」とは大きく異なっているのは自覚していますから。でも、不安な時や励ましてほしい時、親が私の話を受け止めてくれていたら…。と、今でも思うことがあります。
だから自信が無かったとしても、こうなりたいと思う人のアドバイスは素直に聞いて、やってみようと思いました。
話を聞きながら、否定せず、遮らず、ポーカーフェイスで。
でも、嬉しい、喜び、そういったプラスの感情は思いっきり表現する。
いつか、子供が「うちの母ちゃんには何でも話せるし、 いざとなれば頼れる存在だ」と感じてくれたら。そう思いながらやっているうちに、いつの間にか話を遮らないことが習慣になっていたように思います。(もちろん完璧にできているわけではないけど。)
大人同士も同じですよね。
ドイツの子育て:「話を遮らない」を徹底
ちなみに、ドイツの子育ては、「人の話を遮らない」「話に割って入らない」が徹底されています。
例えば、大人が会話しているとき、子供が割り込もうとすると「順番を守りなさい」と教えられます。
公園などで、幼い子が大人同士の会話を遮ろうとするのを、ガン無視している大人たちを何度も目にしたことがあります。すごいメンタル!
ドイツ社会全体が論理的なコミュニケーションを重視しているため、秩序ある会話の進行が求められます。これが子育ての現場にも反映されているのですね。
ちょっとググると、こう言った記事がざくざく出てきます。
会話を中断しないように子供たちに教える5つのステップ(ドイツ語)
もちろん例外にあたる人もいますが、大抵は親が根気よく教え込み、対等で冷静な議論を展開できる親子関係を築いているように見えます。
親だからこそ、話を遮りたくなる瞬間
とまあ、そんなドイツ人のように私は育てられていませんからね。
子供の話を聞いていて「それは違う」「こうしたほうがいい」とめっちゃ遮りたくなる。
特に、子供が間違ったことをしていたり、未熟な考えを話していたりすると、「ちょっと待って」とか「でもそれって」と話を遮りたくなってしまう。(実際に遮ってしまっていることも多いと思います。)
しかし、なるべくぐっと堪え、「話を遮らない」という基本に立ち返るようにしています。
説教やアドバイスをするのは子供の話が終わったあとでも遅くありませんし。
とにかくこれですこれ。
子供が話すターンでは説教は厳禁
だって、自分の意見をいちいち遮って反論してくる人に、一体何を話す気になるというのでしょう。
頭ではわかっていても、感情が先に出てしまうこともありますが、「否定しない」「聞く姿勢」を守ることが、「信頼関係の構築」につながるのだと自分に言い聞かせています。
まとめ:息子へのインタビュー
全然思ってたのと違う!!
話を遮らなかったおかげなのか。はたまた、下ネタを散りばめて母としての威厳を削ってきたせいなのか。
でもまあ、お互いに信頼関係があるからこそ、こっちも仕掛けることができるんですけどね。そうじゃないと本気で嫌われるし…。
私は、親に言ってもどうせわかってもらえないし。反対されるし。そう思って諦めていたことがたくさんあったのですが、とりあえず自分の子は、必要あらば相談してくれそうな雰囲気であることが伝わってきました。だから結果オーライってことで。
とにかく、「信頼関係は聞く姿勢にあり」というのは真実のようです。
子育てというのは、いつまで経っても答えの出ない迷路のようなものです。
すぐに答えは出なくても、10年、20年先の子供の姿を想定すれば、多少失敗しようが、何度でも軌道修正を繰り返して、ある程度満足できる出口が見つかるかもしれません。
(と言いつつ、まだ油断できませんけど!)
「聴く技術」と、その前に知っておきたい人間の心理をマンガのストーリーと解説で学べる一冊。
【おまけ】
一年前に書いたこの記事にも少し書いています。
👉 ドイツの子育て文化についてもっと知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。