ドイツの小学校へ入学した娘が人間関係で悩んでいるっぽい。しばらく経って悩みを打ち明けてきました。そこで、娘に友達ができない問題について、どう対処するかを考えました。
娘に友達ができない問題【ドイツの小学校】
どうもドイツの小学校でなかなか友達ができないらしくて。
休み時間に一緒に遊ぶ子がいない。だから、いつも4年生の兄のクラスへ行っていると本人から報告を受けたんですよ。
クラスの子に一緒に遊ぼうと声をかけても断られる。皆はそれぞれ仲の良い子と遊んでばかりいて、自分のことを気にかけていないみたいだと。
でも私たちは夏に引っ越して来たばかりだしね。他の子は近所の幼稚園からそのまま入学してるからグループ出来ちゃってるもんね。
でもまだ1年生だし、そのうちすっごく良いお友達ができるよーなんて一応娘をなだめた。
なだめた、けど同じことが4日も5日も続けて起こるとさすがに心配になってくる。
「日本人だから避けられているんじゃないか。」
「まさかクラス中からハブられてるんじゃないか。」
なんてもうマイナスな妄想が脳内エンドレス。でも、本人は「学校生活自体は楽しい」って言うのです。とりあえずもう少し様子をみる日々だった……のですが!
娘が学校でいじめられているかもしれない
ある日夕飯を食べながら娘がポツリとこぼしたんです。
「今、学校ですごく嫌なことがある」と。
お、おう…。母ちゃんすっごくドキドキするぞ…。
ポツリポツリと話し出した娘。
クラスのジャイアン的存在の女の子が一度だけ、娘の名前の後に「カッカ(うんこ)」をつけて呼んだこと。その時周りにいたクラスの子がそれを笑ったこと。
さらに、ある男の子がその時からずっと娘のことを「カッカ」と呼んでくる。何度やめてと言ってもやめてくれない。それがすっごく嫌だ。
なんてこった。自分の娘がドイツの学校でうん子呼ばわりされとる!
これって、言っている相手がどの程度の悪意を持っているかを別にしても本人にとっては屈辱的で苦痛なことですよね。
娘によると、何度もその呼び名は嫌だと言っているのにしつこいのだとか。
そりゃ嫌だわ。このままの環境が続いたら、いくら鋼の心臓を持つ娘だっていつか心が折れてしまうかもしれない。これ以上状況が悪化する前に食い止めるにはどうしたら良いのでしょうか。
ドイツ流の対処法
ドイツで生活する限り、泣き寝入りして良いことなんて一つもありません。相手にはっきり、かなり強く意思表示をするか、機転を利かせて強いインパクトのあるネタでやり返すか。
そうでないとこのドイツではたとえ努力したとしても欲しいものが自分に回ってきません。
それどころか後回しにされ続ける人生になると言っても過言ではありません。
これ、日本国外に出て生活している人ならたいてい経験したことあるのではないかしら…。
んで、娘と息子と3人で、どうやってこの環境を打破するか話し合ったんですよ。
まずは相手の男の子の名前をフルネームで聞くと、なんと日本語に直訳してモロにうん子系の意味になることが判明。
娘は鼻息荒く「これをあの子に言ってやる!」と息巻いています。
それを見てすかさず私は「どうせ言うならクラスの皆がいる前で言った方がいいよ」とめっちゃ大人げない助言を。
ええ、大人げありません。大人げないですとも。
だって後々のことを考えると、娘がそうやって反撃できる人間なんだとジャイ子含めてクラスの皆に知らしめた方が良いじゃないか。
そう説明しても、まだまだ蒙古斑も消え切らないピュアな娘は躊躇している様子。
娘の反撃
さて、次の日の朝。
学校へ行く前に「今日はすっごく楽しい1日になるよ。良いお友達ができて、楽しくて笑っているうちにあっという間に学校が終わるよ」と言葉をかけました。学校で娘が心から笑えますようにと祈りながら。
学校が終わって迎えに言った時、何気なく娘に「今日は学校どうだった?」といつものように訊ねたんですね。そうしたら
「今日、あの男の子に言ってやったよ」と。
おおおおおおお!!!!さっそく言ったか!!やるじゃないか!
2人きりの時に言ったの?と訊ねたら「皆がいる時に言った」と!まじか!でかした!(ほんと大人げなくてすみません)
もうその娘の勇気が嬉しくて嬉しくて。褒めちぎりながら詳しく説明を促しました。
ドイツの小学校で先生を味方につける
まず、娘は担任の先生のところへ行き、例の男の子に「カッカ」と呼ばれるようになった経緯を説明したそうです。ついでに、さりげなくジャイ子のこともチクったのだとか。なかなかの策士。いいね、その調子。
次に、先生に「皆の前で奴に言い返して良い?」と許可を求めたのだそうだ。事情を知った先生は「良いわよ。それは是非言ってやりなさい」とGOサイン。
大きな後ろ盾を得た娘はクラス全員が見守る中、堂々とその男の子に言ってやったんだと。
すげーわ。思った以上に娘ってば策士。良いのよそれで良いのよ。
んで、その言い放った後に先生が輪に入り、「よく言えたね!」と娘を労ってくれ、男の子には「今までのことを○○(娘)に謝りなさい」と皆の前で謝罪させたんですって!グッジョブ!
その日を境に娘のことをうん子呼ばわりする子は誰一人いなくなり、新しい友達が一気に増え、人間関係が良好に。休み時間も楽しく過ごせるようになったんだとか。
そしてジャイ子とも和解し、今は一緒に遊ぶようになったのだそうです。
よかったね!本当によかったねぇ!勇気を出して偉かったね!そして先生グッジョブ!
友達が出来た
先日は娘が初めてクラスメイトをうちに連れてきました。嬉しかったなあ。とてもやんちゃだけど、ずっとニコニコしてて可愛い子。
迎えにきたお父さんもとても良い方で、久しぶりにドイツ語で話が弾み、やっとドイツの小学校で知り合いができて、私も嬉しかった。
何よりもその子と遊んでいる時に娘がとても良い顔で笑っていたのが、私も幸せで幸せで。彼女が自分で乗り越えて手に入れた環境。母ちゃんは誇りに思います。
今後もいろんな問題にぶつかるだろうけど。その時に、こうして1歩1歩自分の足で歩いて道を作って行った経験が、彼女の自信になり勇気につながっていくのだと思う。私は彼女の1番の味方として、全力で応援していこう。
てな訳で、悩みのうちのひとつが解決したのであります。
次は息子の進学の件と子供のドイツ語の問題。尽きませんな、悩みは。
数年後。娘のクラスで起きた「そりゃないぜ!」な事件。ドイツの小学校で、また娘が立ち上がりました。
ち