今となれば可愛かったイヤイヤ期ですが、当時は私もしつけに関して調べ倒しました。2歳児3歳児を持つお父様お母様、お疲れ様です。
2025現在、18歳と15歳に成長した長男長女も、もちろんしっかりイヤイヤ期はありました。が、トータルで比較的切り替えが早かったように思います。
今回は未就学児のお子さんを持つご家庭向けに、「これはやって良かった!大正解!」という我が家の体験をお話ししたいと思います。
イヤイヤ期の真っ最中のしつけでも。イヤイヤ期が過ぎた後のしつけでも。効果抜群です。が、当然ながら年齢が上がれば上がるほど時間がかかり、子供と親の根気比べになります。ぜひ、早いうちから実践されることをお勧めします。(イヤイヤ期が消滅するわけではありませんが、はるかにマシになると思います。)
「NO」は最後まで貫く覚悟で言う
長男を産んだばかりの頃、よく参考にしていた個人の育児ブログで読んだ一文が、今でも心に残っています。
「NOと言ったら最後までNO。そこをブレさせてしまうと、子どもは“泣けば変えられる”と学ぶ」
だから、何かの許可を求められた時、一度YESかNOを言ったら最後まで貫く覚悟で判断するべきだと。
確かに今から思い返しても、未就学児の子育てで、何が一番大切だったかと聞かれたら、私は迷わず「親の一貫性」だと答えると思います。お母さんはダメだと言うけど、お父さんはいいって言った…なんてことが無いように。
我が家は、この考えを夫と共有して、 1歳の頃から「なぜダメなのか」を毎回伝えていました。 言葉をすべて理解できなくても、ニュアンスは伝わります。初めての子育てだったので、うまくできないこともありました。それでも夫婦で情報を共有し合い、続けました。
そのおかげか、子どもは多少ごねたとしても、「ダメなものはダメなんだな」と納得して切り替える力を身につけたように思います。
イヤイヤ期のしつけも、これを続けました。多少ゴネる時間が長くなりますが、絶対に譲りません。ここで中途半端にNOからYESに変更すると、もっとゴネるようになり、親の負担もどんどん増していきますのでね。
この一貫した対応が、のちに子供も親も救っていくことになるわけです。
「泣き得」がエスカレートする心理学
行動心理学では「部分強化(intermittent reinforcement)」という用語があります。 これは、毎回報酬を与えた時よりも、不定期に・時々だけ報酬を与えた時の方が、行動がより強く、長く持続するという現象です。
例としてよく使われるのが、スロットマシンやパチンコのようなギャンブル。 毎回は当たらないけど、「たまに当たる」ことがあると、それを期待して何度も繰り返してしまいます。
この「時々得られる成功体験」が、行動の“やめにくさ”を生むのです。
子育てで言えば、「泣いたら時々OKしてしまう」ことで、子どもは“泣けば通るかもしれない”という希望を持ち続け、さらに強くその行動を繰り返すようになります。
逆に、毎回一貫してNOを示すことで、「ごねても無駄なんだ」と子どもが学び、次第に泣き続ける行動は減っていきます。
つまり、NOを貫くことは、感情論ではなく“行動の消去”という心理学的に根拠ある方法なのです。
イヤイヤ期のしつけで悩んでいた友人に、ふとこの話をしたことがあります。 「一度NOって言ったら、その後もずっとNOでい続けるだけで変わるよ」と。
数ヶ月後、彼女が「びっくりするほど変わった!」と驚いて連絡をくれました。 もちろん、一朝一夕ではないし、その間泣かれたり怒られたりもあったそうです。 でも「泣いても変わらない」と理解してからは、子どもが冷静になったと。
考えてみたら、泣いてゴネた後にご褒美を与えていんだから、そりゃゴネるわな!と彼女は笑っていました。
イヤイヤ期中もブレないしつけが後に役立つ
YESもNOも、親の都合ではなく、理由があること。 それを丁寧に伝えること。 イヤイヤ期のしつけに限らず、未就学児の子育てでは、これが本当に大事だと実感しています。
うちでは、YESは思いきり肯定していました。 「いいよ」と言ったからには、子どもも思いっきりチャレンジして楽しんで良い。 一方で、NOの時は一貫して「できない」「しない」と貫きました。
小学校高学年や中学生になってからは、話し合いによってはNOをYESに変えることも出てきました。 子どもが成長して、安全に作業を進めることができたり、道理やモラルを理解できるようになったので、子供の主張を尊重する機会が増えていった感じです。
そして、その頃には子ども自身に"判断力"が育ってきたように感じました。 自分で考えてYESかNOかを整理したり、交渉したりできるようになったのは、この土台があったからだと思います。
こういう積み重ねの中で、子どもとの信頼関係も育っていったように思います。
私の場合の「NO」と「YES」の具体例
NOの判断例
● 食事前のおやつ
夕飯の準備中に「お菓子食べたい」と言われても、これはNO。 「今食べたらご飯が入らないから、食後にしようね」 と毎回説明していたら、自然と「あとでね」が習慣になりました。
● お店でのおねだり
レジ横で「これほしい!」と叫ばれても、「今日は買うって決めてなかったよね」で一貫してNO。 泣いても状況が変わらない経験を重ねるうちに、子ども自身が切り替えられるように。
YESの判断例
● 公園での水遊び
「やってみたい!」の声に「着替えとタオルを持っているから今日はOK、ただし人を傷つけない・物を壊さないように。」と注意点を伝えつつYES。 条件を伝えた上で肯定した後は、のびのび遊ばせることでお互いにストレスフリー。不注意による多少の失敗などは目を瞑りますが、故意に何かをやらかした時は、その瞬間に遊びは終了。有無を言わさず撤収します。(我が家の場合)
● お菓子作りのお手伝い
スケジュールに余裕がある日はYES。 YESと言ったからには失敗しても皿を割っても、わざとでなければ責めることはしません。「手伝いたい」という気持ちと好奇心を尊重します。実は失敗した時こそチャンスで、「誰でも失敗はする。どこで失敗したのかを理解すれば、次はうまくできるよ。やり直そう。」と声をかけ、再チャレンジします。この経験は今後の人生の全ての場面において役に立ちます。気をつけることは、絶対に失敗を責めたり叱ったりしないこと。
⚠️友人との兼ね合い 【重要】
友人宅へ遊びに行った際、もしくは我が家に招いた際、我が家のようにYES・NOを一貫している家庭はほとんどなかったので、説明しました。
「うちではこういう風にやっているから、そのままやらせてもらうけど、そちらはそちらで気にせずいつも通りやってね。」と。
つくづく、この考え方って大事だと思うんですよ。各家庭で方針が違って当たり前です。
私の周りの友人は、幸いなことにその辺の考え方が各自自立していたので助かりました。
「あ、ご飯前におやつ禁止するの、良い習慣だね!うちも真似しようかな。」とか、「ごめん、うちは我慢できないから食べさせる。欲しかったら言ってね。」とか、そんな感じでした。
「えー厳しすぎる!可哀想じゃん。今日くらい食べさせてもいいんじゃないの?」と言ってくる人とは、そのうち付き合わなくなりました。食べさせる・食べさせないの問題ではなく、厳しすぎるとか、可哀想とか、気安くそういう言葉を相手に投げかける人とは気持ちよく付き合えないだろうと思ったからです。
その場で私が「えーゆるすぎる!今のタイミングでお菓子食べたらご飯食べられないじゃん。子供のためにならないよ。」って、もし相手に言ったらどうなっていたのでしょう。
親の言動がモロに子供に影響する時期に、親の遠慮、または無遠慮な行動で子供を振り回す方が可哀想です。それぞれの家庭の方針を尊重すれば良いだけのことだと思います。
未来の子供と自分のために
YESとNOの判断を一貫して伝えていったことで、結果として、子ども自身に「考える力」「判断する力」がついていきました。
何かをお願いされたとき、「これは通るかな?」「無理かな?」といった見極めができるようになったり、自分なりの理由を添えて交渉してくるようになったり。これは小さい頃の積み重ねの結果だと感じます。
イヤイヤ期のしつけって、今まさに渦中にいると、心が折れそうになるんですよね。 でも、あとから振り返ると「あの時踏ん張ってよかったな」と思える瞬間が来ます。
未就学児の子育てで「NOを通すこと」にこだわってきたおかげで、 中高生になった今も、子どもたちは自分の希望を言葉にしながら、交渉してくるようになりました。
「こういう理由があるから、今回はYESにしてくれない?」 そういうやりとりができるのは、昔から一貫して線引きをしてきたからこそだと思っています。
よく考えたら、大人の社会も似たようなものかもしれませんね。NOだった古い習慣も、目的や理由がはっきりしていて、その先にもっと良い発見や結果が期待できそうなら、臨機応変に対応できます。しかし、モラルなどからNOなものは変えられませんから。
育児に正解はありませんが、私の家族でこれは「やって良かった!」と満足していることなので紹介しました。 もし同じように悩んでいる方が、少しでも楽になったら嬉しいです。
そして、