2011年

子育てってやつ

子育てに疲れた…そんな18年が報われた日

子育てに疲れたと言っても、18年間ずっと疲れていたわけではありません。楽しいこともハッピーなことも数え切れないくらい経験させてもらいました。

しかし、「いつまでこれが続くのか…」と白目をむいことは数え切れないほどあります。

問題が起きると自分を責め、自信をなくし。こんな自分が子供を産んだこと自体が間違っていたのではないかと落ち込んでしまう。そんな経験って私だけでしょうか。

ひょっとすると、ブログやインスタなどを見て、私がサクサクと順調に子育てをしていると勘違いしていらっしゃる方がいるのではないでしょうか。

んなわけありません!将来子供がこれを読んでも傷つかないように、書いていないだけです。

息子の反抗期がコロナ禍と被り、本気で息子を2階の窓から投げ捨てたいと思ったこともありますからね…もはや懐かしい。

そんな息子もいつの間にか18歳になり、最近「結果オーライ」と思えるエピソードがあり、自分まで報われた気がしました。と言ってもまだ道の途中ですが。

幼い我が子に収拾つかなくなって疲れ果てているママたち、はたまた思春期を迎えた10代の子どもとの距離に悩むお母さんたちの、少しでも希望になれば。

そして、私に希望を与えてくれた尊敬すべき先輩や友人たちに感謝の気持ちを込めて、記録しておきます。

子育てに疲れた数々のエピソード

娘は小学校に入学してもなかなか友達ができず、それは娘の性格が原因だと保護者面談で担任から言われたことがあります。

今はドイツのそういうストレートな先制パンチ(?)に慣れましたけど、当時は思い当たる節もあり、かなり悩みました。

過去記事にも当時のことを書いています。

娘はその後、無事に友人はチラホラできましたが、これがまたクセのある子ばかりで。

実は、年に一度くらいのペースで彼女の感情が爆発し、2時間も3時間も号泣しながら、鬱々と自分の人生を呪う言葉を私にぶつけていました。

「こんな人生を送りたかったわけではない。もう一度生まれかわって人生をやり直したい。」と、小学生の我が子が号泣しながら、目の前で延々と訴えてくるんですよ。

聞いているうちに全ての責任が自分にある気がして、私も悩みました。子育てに疲れたというより、悩みが次々に山積みになっていく感覚でした。

そして、息子に関しては、何度学校から呼び出し&手紙をもらったことか!

軽率な言動が発端で大きな問題に巻き込まれたり巻き込んだり…。解決のために弁護士を雇ったこともあります。

教育のために夫と離れてまでドイツに残ったのに、成績は下がるし問題は起こすし。この選択は間違いだったのか。夫と離れたせいなのか、はたまた私の子育てが間違っていたのか。

問題が起きるたびに胃が痛くなり、眠れなくなる日が続きました。

が、昨年末あたりから自分の中で何かが吹っ切れ、子供のことで悩むのをやめました。すると、子供の成績が上がり始め、親子関係もガラッと良くなってきました。

そんな矢先に起きた "ご褒美エピソード" を紹介させてください。

息子の存在が与えていた影響

うちの息子Tのこと。子育てに疲れた私が2階の窓から投げ捨てそうになった息子Tのことです。

彼が18歳の誕生日を迎えた数日後、ママ友からそれはそれは嬉しいメッセージをいただきました。

詳しい内容は控えますが、彼女の息子さんは現在、理不尽な責任を負わされているそうです。母親としても気を揉んでいらっしゃったそうですが、当の本人はあっけらかんとしているとのことでした。

なぜそんなに平気でいられるのかと彼に尋ねたところ、「Tと出会って、Tの家族に出会えたから」と答えてくれたそうです。

「ひとりで何でもこなすTの考え方や、自分にはなかった価値観に触れられて、刺激を受けた。だから、問題が起きても“次”を考えられるようになった。」と言ってくれたんですって!

さらに、私たち親子の何気ない会話を耳にしたことが、彼の心に何かしらの変化をもたらしたのだそうです。

そのママ友から、心のこもった感謝のメッセージをもらったとき、普段は泣かない私が、思わずポロポロと涙を流してしまいました。

だって、その息子さんって本当に素晴らしい子なんですよ。こんなふうに息子も育ってくれたら、何度そう思ったことか。

ママも思慮深く情の深い方で、お子さんとの距離の取り方を参考にさせてもらっています。

そんな尊敬する方達から思いがけないほどの言葉をいただけるなんて!まるで目の前の霧がパァッと晴れたように、言葉で表せないほど清々しい気持ちになりました。

悩みながらも疲れながらも、諦めずに子育てを続けてきて、本当によかったと思いました。2階から放り投げなくてよかったです。笑

思春期の娘がくれた“信頼”

次に、娘のエピソードをひとつご紹介します。今年の秋から日本への短期留学を控えている娘は、毎日のように「日本留学が楽しみ!」と口にしています。

ある日、ふと娘が「でも日本に行ったら、しょっちゅうママに連絡しちゃうだろうなー」と言ったんです。

そこで私は、「え、嬉しいけど、なんでママばっかり?友達とかにも連絡するよね?」と確認してしまいました。

もしかして、娘にはなんでも話せる友達がいないのでは?と心配になってしまって。

すると娘はケロッとして「だってママにはなんでも話せるもん。」と。

「彼氏や好きな人ができたらすぐママに相談するって言うと、友達からも驚かれるけどね。周りの子は絶対に親には言わないって言ってる。でも、ママはちゃんと私のことを理解してくれて、的確なアドバイスをくれるから。」と言ってくれたのですよぉぉぉぉ!

私が娘と同じ年齢の頃は、恋愛の話を親にするなんてとても考えられませんでした。親には理解してもらえないことを知っていたからです。その代わり、良い友人には恵まれました。

だからこそ、娘には本音を話せる友達がいないから私に依存しているのではないかと不安になったのですが、どうやら信頼できる友人もちゃんといるようです。

とはいえ、私は昔から「ダメンズホイホイ」と言われていたくらいなので、果たして的確なアドバイスができるかは、ちょっと怪しいかも……。

👇参考記事

“幸せ”と言える娘の言葉に報われた思い

最後に、娘のもうひとつのエピソードを。

ある日、日本の某若手俳優が行方不明となり、その後遺体で発見されたというニュースが流れました。報道では、自殺の可能性があると推測されていました。

そのニュースを見た娘が、「ママ、◯◯って俳優さん、亡くなっちゃったらしいよ」と教えてくれたのです。

私は「そんな若い人が……」と驚くと同時に、以前息子のクラスメイトが16歳で自ら命を絶った出来事を思い出しました。(過去記事にも書きました。

娘は現在15歳。まさに多感な思春期です。ま、まさかね…?

そこで私は、少しビビりつつ聞いてみました。「あなたは、ちょっとでも自殺しようと思ったりしたこと…あったりする?」と。

すると娘は、間髪入れず「ううん、ないよ。と即答。

理由を尋ねると、娘はこう答えました。

「だって、こんなにハッピーな環境なんだもん。クラスの子と話していると、親がしょっちゅう怒鳴りあって喧嘩してたり、兄弟で仲が悪かったりするよ。だから、私はすごく恵まれているんだと思ってる。」

その言葉を聞いた瞬間、私は胸がいっぱいになり、しばらく声が出せませんでした。

娘は、前述のように定期的にあんなに人生を嘆いていました。息子からも邪険に扱われた時期もあり、決してぬくぬくと育ってきたわけではありません。

私だって娘くらいの年頃は、決してそんなふうに思えませんでした。そして今の私は、決して優しい母親ではなく、かなり厳しい母親です。(鬼より怖いそうですよ!)

だからこそ、その娘の言葉に、長年かけて育んできたものがようやく報われたような気がしました。

子育ての正解は時間が育てるもの

たった18年の経験しかないので、道半ばでの感想でしかありませんが。子育てというのは、その時々の問題をすぐに解決できるものではないのだと痛感しています。

けれど、数年単位で積み上げてきたものが、やがて家族の関係性を形作っていきます。

だからこそ、今まさに子育てに疲れたと悩んでいる方へ。今すぐ解決しなくても、ちゃんと報われる日がやってきます。

私自身、子育てをしたから経験できた素晴らしい感動もありますが、子育てをしなかったらこんな思いをせずに済んだし、寿命も延びたはず!と思ったこともあります。

ですが、尊敬する親子さんからあんなふうに感謝され、あんなにもがいていた娘が「ハッピーだ」と言ってくれたのなら、もう半分合格ではないかと。

問題の渦中にいた時は、幸せそうに目に映る他の家族が本当に羨ましく感じたりもしましたけど。そこを抜けた今、これまで起きた数々の問題も今の環境を作る必要な要素だったのだと、やっと思えるようになりました。

ただそれには、周囲に溢れる情報を取捨選択する必要があるかもしれません。

"何を"言われたか、ではなく "誰から" 言われたか

子育ての過程では、 心無い言葉に傷つくこともあります。私も何度か経験しました。

でも、ある時ふと気がついたのです。

「何を言われたか」よりも、 「誰に言われたか」の方が大切なのだと。

言葉を信じるに値する人なのか。 その判断を自分の軸にしてから、 気持ちがブレることが減りました。

だって、心から尊敬できる人たちは、こちらが求めてもいない限り 余計なアドバイスをしてくることはありませんもの。

「こんな人になれたらいいな」「こんな親子関係を築けたら」と思える方々に、私はよくアドバイスを仰いできました。

そこに“子育て経験の有無”は関係ありません。結局のところ、大切なのは“人としての在り方”なのだと感じています。

そんな方々が示してくれたヒントを目印に、私は子育てを続けてきました。
そして今、その積み重ねが、息子と娘のエピソードとして形になっているのだと思います。

だから、身近にいた素敵な方たちのおかげなのです。感謝してもし切れません。

そして、私がこうしてブログに記録を残すのも、 同じように悩んでいる方たちへ、 受け取ったヒントを次に届けられたらという願いからです。

まだ道半ばですけど。(2回目)

また別の機会に、"子供のことで悩むのをやめたら子供の成績が上がり始め、親子関係もガラッと良くなってきた" というネタも書けたらと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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