ドイツ育ちの息子が18歳になり、とうとう自動車学校の暖簾をくぐりましてね。おもちゃの新幹線を運転してバブバブ言っていた息子が、本物の車を運転する日が来るなんて…泣ける。
しかし "ドイツの自動車学校事情2025" がやばい。なんと2,500〜3,500ユーロ(約40万円〜60万円)もかかるのですよ!2010年頃の平均は1,400€(ユーロ)くらいだったので、2倍前後!びっくりです。チビっちゃいますね!
そこで、ググり魔の私は徹底リサーチ。ネット民の腕が鳴ります。
早速、ベルリン市内で通学圏内にある、お得な価格帯の学校を10校ほどピックアップ。そして片っ端からメールで見積もりを取ってもらいました。その中で、私の厳しい審査を潜り抜けて合格⭕️となった一校に申し込み完了。(というか、納得いく返信が一校しかありませんでした!どーなのベルリン!!)
まあ、費用が良心的&対応がパーフェクトでしたので、満足しております。
この記事では、私自身の体験談と徹底調査に基づき、良い自動車学校を見つけるための具体的なポイントや相場を詳しく解説します。最後にQ&A形式でまとめ・補足してありますので、どうぞ最後までご覧ください。
1. ドイツの学科講義は楽しい!
私が横浜で通っていた教習所では、学科講義が退屈で毎回眠気と戦っていました。しかし、ドイツの教習所はまったく違いました。
教官が一方的に話すのではなく、受講生に考えさせるスタイルで進められ、実際の交通状況を例に出しながらディスカッション形式で授業が行われました。そのため、毎回新しい発見があり、授業に参加するのが楽しみで仕方ありませんでした。
なぜ私が嬉々としてこれを語っているかというと、実は私、日本で取得した自動車免許を、今から20年近く前に失効させてしまったのです。(日本在住の頃に失効して2年以上経っていたのと、考えるところがあり、そのまま手放しました。)
で、ドイツに移住してから一念発起してデュッセルドルフの自動車学校に申し込んだのです。がしかし、学科を終え、路上実習に入る直前で、どうしても運転したくない自分に気がつき、ドロップアウトしたのでした。その辺のこともまた機会があったら語らせてください。
というわけで、日本とドイツの自動車学校、両方を一応体験しているのです。ドイツで免許を取るのも良い選択だと思いますよ!
参考リンク:Fahrschule情報(ドイツ語)
2. ドイツの自動車学校の一般的なシステム
ドイツの自動車学校では、学科講義(セオリー)と実技講習(プラクティス)があり、それぞれ筆記試験(Theorieprüfung)と実技試験(Praktische Prüfung)を受ける必要があります。この辺は日本と同じですね。
平均的な費用は前述の通り、2,500〜3,500€ほどですが、試験に不合格になると再試験料や追加講習費用がかかるため、最初の見積もりより高額になるケースが多いです。息子の周りは、3,000€以上かかっている子がほとんど。日本円にして50万円以上。いやだよーそんなに払いたくないよー!
ってことで、調べまくったところ、もっと安く収まりそうです。では次に、調べるポイントについてまとめてみました。
参考リンク:ADAC公式サイト(ドイツ語)
3. 良い自動車学校を選ぶためのチェックポイント
Googleマップのレビューを熟読する
「他校で何度も不合格になったけれど、ここでは一発合格できた!」という口コミを何度か目にしました。
つまり、同じ運転スキルでも、教官の判断によって不合格にされるケースがあるということです。
不合格になると、追加の教習料や試験料がかさみ、結果として大きな出費につながります。
裏を返せば、教習所によっては儲け目的で意図的に不合格にする場合もある、ということです。
他にも、「講師が時間通りに来ず満足に教習できなかった」というネガティブな口コミなども参考になりました。
「安い」自動車学校の価格帯とは
例えば、今回ベルリン市内の自動車学校を比較した結果、次の価格帯なら「安いほう」だと判断しました。(ドイツは地域によって価格帯が異なります。)
しかし、前述のように、実習や試験を落とされる回数が増えると追加料金がかさむので、金額だけでなく「スムーズに合格させてもらえるかどうか」も重要になってきます。
講師や経営者の背景
同じ日本人なら共感していただけると思うのですが、ドイツ人講師だと、まれに外国人への対応が冷たくなる場合があります。特に、古い考えのコテコテの年配の方とか。
人種差別されることを避けるためにも、今回はドイツ人や白人の多い地域を避け、外国人が比較的多い地区にある、外国人経営の学校を選びました。
電話かメールで詳細を聞く
問い合わせる内容はこんな感じ。
- 対応言語を聞く。(教官の国籍が大体わかる。)
- 運転免許取得までにかかる費用の平均を聞く。
- その際、Fahrübungen(通常運転練習)80分を15回受けた場合を見積もってもらう。
- キャンペーンの有無を聞く。
- 各試験料を含む、全ての価格が表記されているプライスリストをリクエスト。
この中の見積もりについては、どの学校も「個人差により明確な価格を提示できない」という回答でした。きっと責任問題になるので、その対応が正解なのでしょう。で、添付のPDFに価格表がありました。
価格表を送ってくれないところも多かったです。「まずはオフィスへいらしてください」と。キャッチセールスと同じ手法!!私はそういった時間のロスを避けたかったので、再度価格表をリクエストして応えてくれないところは候補から削除しました。
4. 私たちが選んだ自動車学校の価格
私たちが選んだのは、開校したばかりの新しい自動車学校でした。キャンペーン中で、Grundmaterial(教材費)がなんと1ユーロ。その他の講習料金も他校に比べて安かったです。
- Grundmaterial:1€ (キャンペーン中)
- Fahrübungen 80分:90€
- Pflichtstunde bzw. Sonderfahrt 45分:54€
Fahrübungen 80分を15回受けたとして、試験料などが加えると、総額2,500€ になるのではないかと思います。スムーズに行けば。てかそれくらいで収まって欲しい…。
問い合わせに対する返信も非常に迅速で、説明も丁寧でした。移民に優しい系で(お察しください❤︎)、強引な勧誘や押し売りがなく、こちらのペースに合わせて話を進めてくれたのも好印象でした。
興味がある方はインスタ経由でご連絡くださいね!
5. よくある質問(FAQ)
ドイツで自動車学校に通える年齢と日本との違いは?
ドイツでは、17歳から免許を取得でき、"Begleitetes Fahren"(同伴運転制度)によって保護者などを同乗させれば路上運転が可能になります。正式な単独運転は18歳からです。
ただ、授業がドイツ語中心で進むことが多いため、最低限のドイツ語力が求められます。英語対応の学校もありますが、数は限られています。
ドイツで自動車学校に通う前に役所で何か手続きが必要ですか?
はい、必要です。ドイツでは、自動車学校に通い始める前に、Straßenverkehrsamt(交通局)またはBürgeramt(市民局)で「運転許可申請(Fahrerlaubnisantrag)」を提出する必要があります。この申請を通して「試験受験許可(Prüfauftrag)」が発行されないと、筆記試験・実技試験を受けることができません。提出には、視力検査証明、救急講習(Erste-Hilfe-Kurs)証明などが必要となるので、早めの準備をおすすめします。
ただし、多くの自動車学校では、申し込みをすればこの手続きを無料で代行してくれる場合があります。もしこの手続きに別途費用がかかる場合、その学校は他の手続きやサービスでも追加料金を請求する傾向があるので、注意が必要です。事前に費用や代行サービスについてよく確認しましょう。
ドイツの自動車学校は英語や日本語に対応していますか?
日本語対応は今のところ聞いたことがありません。ただしベルリンでは、英語、トルコ語、アラビア語、ロシア語、ポーランド語、スペイン語、フランス語、中国語など多言語対応の学校も存在します。
また、運転免許筆記試験(Theorieprüfung)は、以下の言語で受験可能です:
- ドイツ語(Deutsch)
- 英語(Englisch)
- フランス語(Französisch)
- ギリシャ語(Griechisch)
- イタリア語(Italienisch)
- ポーランド語(Polnisch)
- ポルトガル語(Portugiesisch)
- ルーマニア語(Rumänisch)
- ロシア語(Russisch)
- クロアチア語(Kroatisch)
- スペイン語(Spanisch)
- トルコ語(Türkisch)
- アラビア語(Hocharabisch)
これらの言語での受験は、TÜVやDEKRAなどの全国の試験機関で提供されています。ただし、受験言語の選択は試験申請時に指定する必要があり、試験当日に変更することはできません。また、実技試験(Praktische Prüfung)は原則としてドイツ語で行われます。
詳細については、各地域の運転免許試験機関や自動車学校にお問い合わせください。
ドイツの自動車学校ではオートマとマニュアルのコースに分かれていますか?
はい、分かれています。マニュアル車(Schaltwagen)で取得すればオートマ車(Automatik)にも乗れますが、オートマ限定免許(B78)で取得すると、マニュアル車を運転することはできません。最初にどちらの車種で教習を受けるかを選択する必要があります。
なお、2021年4月1日以降、「Schlüsselzahl 197(キー番号197)」の制度により、オートマチック車で教習・試験を受けた後でも、次の条件を満たせばマニュアル車の運転が可能になりました:
- マニュアル車での教習を最低10回(各45分)受講すること
- その後、15分間のマニュアル車確認走行を行い、教習指導員の認定を受けること
これらをクリアすると、運転免許証に「B197」の記載がされ、マニュアル車とオートマ車の両方を運転できるようになります。
この新制度により、オートマ中心で教習を受けたいがマニュアルにも対応できる免許を取得したい人にとって、選択肢が広がりました。
B197の場合、路上実習のほとんどをオートマ車で行えるため、免許取得が比較的簡単になります。ただし、追加でマニュアル車による実習費用と確認走行の費用が別途発生するため、総額を事前に確認することが重要です。
ちなみに息子はオートマ車免許にしました。
まとめ
まだ自動車学校に通い始めたばかりの息子は、先日やっとErste-Hilfe-Kursを受講しました。心臓マッサージなどの救急手当を学ぶ実習です。
トルコ人を中心に、移民ばかりが集まるその学校は、1時間遅れてくる人がいたり、1時間早く帰る人がいたり…笑。「ぼく、あの中だとかなり優秀な生徒になりそう」と、ニヤリとしていました。
現在はAbi(ギムナジウム卒業試験)真っ只中なので、本格的に教習を受けるのは7月から。また感想を聞くのが楽しみです。免許を取得した際は、総額いくらになったかも追記しますね。お楽しみに。ドキドキ。
ドイツで運転免許を取得予定の皆様も、良い学校とご縁がありますように!
【おまけ】
👇ドイツをはじめ欧州住みの、カルキで肌や髪の毛が乾燥している方へ朗報です。