海外で子育てをしていて、バイリンガルに育ちつつある子供と会話していると、思いもよらぬ独特な言い回しや言い間違いに「ブフォッ!」ってなることがあります。これが本当に楽しくて。
例えば息子が幼稚園時代のエピソード。
その幼稚園には歳の近い日系の子が2〜3人いて、息子も混じってよく遊んでいました。皆、ママが日本人だったので子供を遊ばせながら私たちも話に花を咲かせ、親子ともになかなか楽しい幼稚園時代を過ごしていたのですよ。
確か息子が5歳の時。近所の人が息子に"警察官セット"なるものをくれたんです。警察官の帽子や警棒、ピストルなんかも入っていて、息子は大喜び!
中身を一つ一つ確認をして、「あ!!お母さん見て!!」
と言って見せてくれたのがこれ。
て、て、てじるっ!!!
吹き出しそうなのをこらえながら答えましたよ。
その日はず〜っとニヤニヤが止まらず、夫が帰宅してからすぐ報告。
「これから "てじる" でいくから。うちは今日からアレを"てじる"と呼ぶことに決まったから」
夫はブフォッとなってから、もちろん二つ返事でOK.
んで数ヶ月経った頃。幼稚園のママ友とお茶していたら、1人のママが「最近うちの子、手錠を "てじる" って言うんだよね」と。
他のママも「うちも!なんでだろ?」と口々に言い出すではありませんか!
コーヒーを吹きそうになりつつ、「ごめん!それうちだわ!!!」と、少し前のエピソードを伝えました。ママたちは爆笑。
「そう言うことだったのか!」「わかった、うちもしばらく "てじる" でいくわ」とノリノリ。
そう、皆さんとてもおおらかで良い方達だったんです。今でも仲良くさせてもらっています。
で、卒園まで日系の子達は "てじる" ですくすく育ち。
卒園後、うちの子はドイツの現地校に加え、週一で日本語の補習校に通うことになりました。
さて。日本語補習校へ入学する前に、そろそろアレを訂正しておいた方が良いのではないかと。
夫と話し合い、意を決して息子に真実を告げることに。
その時の息子の顔は、まさに
( ゚д゚)ポカーン
でした。ああ、あの無垢な表情が懐かしい。
今までありがとう、そしてさようなら"てじる"。
そんなわけで、可愛い思い出となったてじる物語。今でも家族内で懐かしい思い出話として語り合っています。
日本以外の国で子育てをしていると母国語問題が勃発しがちです。でも我が家は日本人ファミリーなので、あまり気負わずこういったサプライズを楽しんでおります。海外子育ての醍醐味であり、UMAMIでもあるエピソード、今後もじゃんじゃん出していきたいと思います。