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ナントの名店7選|地元民が通うレストラン&マルシェ【2025】

2025年10月8日

観光地というのは放っておいても人が来るので、評価の高いお店なのに、実際食べてみると「あれ?」となることが多いですよね。したがって、結局頼りになるのは、雰囲気に騙されない地元の人の口コミであります。

そして、半世紀生きてきた結果、星付きやデコラティブな盛り付けより、素朴で丁寧に作られた地元の味を求めるようになりました。素材を大事に扱い、手をかけすぎないほうが心から満足できるのです。(きっと私だけじゃないはず…!)

今回、フランス・ブルターニュ地方の港町ナントで、地元の人の口コミを頼りに、魚介と白ワインを求めて胃が壊れるまで食べ歩きました。その中でも特に「また行きたい!」と思えたお店を、セレクトしてお届けいたします!

Marché de Talensac(マルシェ・ド・タランサック)

まず、ナントの朝といえば、地元の人が集まるマルシェ・ド・タランサックからスタート。1930年代から続く市民の台所です。

ナントのマルシェ・ド・タランサック 魚介売り場の様子

Marché de Talensac(マルシェ・ド・タランサック)
Rue Talensac, 44000 Nantes
月曜定休
火-日 8:00〜13:00

屋内にずらりと並ぶ魚介・チーズ・パン・八百屋。地元の人たちはエコバッグ片手に、店主と軽口を交わしながら買い物を楽しんでいます。

「今日の特売」と(多分)書かれた札があるお店では、他店の半額近くになっているものもありました。おかげで生きている手長えびを手頃な価格で購入でき、満足であります。そういえば、生きているエビや貝を久しぶりに見たな。(ドイツ…)

マルシェ内は似たような魚屋や八百屋が何店舗もあるのですが、良いお店は、やはり地元の人が列をなしています。もちろん、私たちも真似して並びましたら、なんと大トロ発見!

実はヨーロッパの人はマグロのトロ部分の脂身を嫌うのです。つまり、安く売られているということでして、350g 7ユーロ(1,200円)で大トロを購入できました。日本だったら何倍の値段かしら。

実は今回、ホテルではなくAirbnbでアパートを借りました。なぜなら、息子がマルシェで買った魚介やマッシュルームなどを使い、部屋で調理したいとマイ包丁を持参していたからです。

息子が調理してくれた魚介類はもちろん大変美味しく、大トロも甘くてとろけて、刺身や炙りを悶絶しながらいただきました。

タランサックで購入した大トロ

欧州人がこのまま、トロの価値に気づかずに過ごしてくれますように。


Qrep'(キュレップ)

焼き立てのガレットを気軽に楽しめるお店。

マルシェ・ド・タランサック 奥のガレット屋

さて、マルシェを北奥に進むと、ふわっとバターの香りが漂う一角にガレット屋さんがあります。地元の食材を使い、目の前で丁寧に焼きあげてくれます。

私はマッシュルームのガレット、息子はサーモンのガレットを注文。マッシュルームはビネガーが効いていてさっぱり。サーモンは塩気がしっかりしていて食べ応えありました。「天才」と言いながらあっという間に完食。


La Petite Boulangerie(ラ・プティット・ブーランジュリー

そして南側入り口近く、人が並んでいる小さなパン屋があります。そこのショーケースに並ぶケーキの中で、ひときわ輝いて見えたのがレモンのドームケーキ。写真の中の、赤い丸で囲ってあるケーキです。

La Petite Boulangerie のレモンドームケーキ
La Petite Boulangerie - Talensac のレモンドームケーキ

とにかくですね、こんなに美味しいレモンケーキ初めて食べましたよ。あんなにふわふわなのに、生地がトロッとしっとりしているなんて。一口ごとに香りがパァッと口の中に広がり、うっとりしてしまいました。

このケーキ、もっと前面に出して宣伝すべき。天才。フランス天才。


Marguerite Boulangerie du coin(マルグリット・ブランジュリ・デュ・コワン)

続いて、お楽しみのパン屋です。何件も回ったパン屋の中で群を抜いて美味しかったお店です。

ナントの人気パン屋 Marguerite Boulangerie du coin の外観

Marguerite Boulangerie du coin(マルグリット・ブランジュリ・デュ・コワン)
8 Rue Guépin, 44000 Nantes
月-土 7:30-19:30
日曜定休

最終日にも立ち寄り、ドイツまで持ち帰るパンを山ほど購入。レジでお姉さんに「まだ買うの!?」とビビられましたけど、こちとらドイツから来ておりますからね、威風堂々と追加注文いたしましたよ。

おすすめはクロワッサン・デニッシュ系、エクレア、アーモンドのケーキ、フラン・パティシエ(ホール)…って全部じゃないか!

こんなに注文する時は、前もって電話してね!と言われたので、「ドイツに住んでるから来年かな!」と返したら、笑いながら「なんだ、そうだったのね!」と。ナントの人たちは感じが良くて可愛いなぁ。


Cave Vin/20(カーヴ・ヴァン・ヴァン)

ナント中心街にはブティックのような高級ワインショップもあるけれど、私が望むのは地元民が通うワインショップであります。もちろん見つけました。ラッキーなことに街中からもギリギリ徒歩圏内。

Cave Vin/20(カーヴ・ヴァン・ヴァン)
20 Quai de la Fosse, 44000 Nantes
月火木金土 10:00-19:30
水 10:00-13:00 / 15:00-19:30
日曜定休

店内はこぢんまりとしていて、棚にはロワール地方を中心に、フランス各地のワインがぎっしり。驚くのはその価格帯の広さで、10ユーロ台から手が届く良質ワインが揃っています。しかし写真を撮り忘れたのが遺憾であります。

オーナーは英語OKで、とても気さくな方。ハキハキと説明してくれて、迷わずに選ぶことができました。その間も常連客がひっきりなしに出入りしていて賑わっていました。

軽いものから重めものものまで3種類の赤を購入。先日、一番軽いのを1本開けてみましたが、とても美味しかったです。また行きたいな。


Le Homard Fries(ル・オマール・フリ)

ではお待ちかね、レストラン特集に行ってみましょう。最初に、ナントでロブスターをカジュアルに楽しみたい人におすすめの一軒を。

Le Homard Fries ロブスターグリルと自家製フリット

Le Homard Fries(ル・オマール・フリ)
 16 Rue Saint-Léonard, 44000 Nantes
 月曜定休
火-土 12:00-13:30 / 19:00-21:30
日 12:00-13:30
ネットから予約

観光客向けの高級店ではなく、地元の若いカップルや家族連れが集うカジュアルレストランです。

メインのおすすめは、もちろんロブスターのグリル。しかし複数で来店したなら、ぜひロブスターロールも注文することをおすすめします。

香ばしく焼いた厚切りのブリオッシュに、プリプリのロブスターがぎっしり入っています。

Le Homard Fries のロブスターロール du moment

普通のロブスターロールは冷たいロブスターが挟んであります。

温かいのを食べたい人は、“Le Lobster Roll du moment & frites maison” を注文してみてください。シェフの気まぐれで、その日だけの熱々ロブスターサンドが出てきます。

そして、細切りのとても美味しい揚げたてのフライドポテト食べ放題なんです!ここのポテト、とても美味しかったなぁ。


Le Joséphine B.(ル・ジョゼフィーヌ・ベー)

続いて、息子に頼み込まれて渋々向かったこちら。魚介中心のフランス・ナントの雰囲気とはちょっと違います。看板メニューは、炭火で豪快に焼く牛肉の塊(Côte de boeuf)。その量なんと1.2キロ以上!

Le Joséphine B. コート・ド・ブフ 1.2kg プレート

Le Joséphine B.(ル・ジョゼフィーヌ・ベー)
95 Quai de la Fosse, 44100 Nantes
月曜定休
火 12:00-14:00
水木 12:00-14:00 / 19:30-22:30
金土 12:00-14:00 / 19:30-23:00
日 12:00-15:00 / 19:00-21:00
ネットから予約

日本人なら3〜4人でシェアしても食べ切れるかわからない狂った大きさの肉であります。喜ぶ息子の横で引き攣る私の顔。その肉塊を客席の真ん前の網で炭火焼きしてくれます。フランスなのでかなりレア仕上げですが、焼き加減はリクエストも可能で、しっかり目に焼いてもらうこともできます。

お値段も張ります…と言いたいところですが、肉の大きさ、付け合わせのサラダと自家製ポテト込みのお値段で、おかわり自由…ってことは、何気にお手頃価格なのかも?

しかしごつい見た目にも関わらず、肉も付け合わせもとても美味しくいただきました。もちろん食べきれませんでしたが、残ったものは肉も含め持ち帰りOK

声の大きい陽気なオーナーと、物腰の柔らかい物静かなウエイター。驚いたことに、「日本人のお客さんは初めて!」だそうです。デザートをサービスしてくれるなど、アットホームな居心地の良いレストランでした。

あ、大食いの人と行ってくださいね!胃が死にます。


Les Bouteilles(レ・ブテイユ)

フランス・ナント旅行、最終日の夜。実はチェックしていたレストランの中で、ここが大本命でした。

ワインバーとレストラン兼ねるこちらのお店、「Les Bouteilles=ナントの良心」という意味だそうで、旅行者にも地元民にも愛されている、知る人ぞ知るお店です。

Marguerite Boulangerie du coin の外観

Les Bouteilles(レ・ブテイユ)
11 Rue de Bel air, 44000 Nantes
月火日 定休
水木金 9:30-14:30 / 18:30-22:00
土 10:00-14:30 / 18:30-22:00
ネットから予約

店内は、もちろんワインがずらり。

Les Bouteilles 落ち着いた照明とワインが並ぶ店内

まず、こぢんまりとした美しい店内に、窓際まで所狭しとならぶワインボトルの数も圧巻なのですが、ワインリストが図鑑のような厚さなのです!ものすごく貴重なワインからリーズナブルなワインまで、ソムリエである店主のお眼鏡にかなったボトルたちがリストアップされています。

この日のメニューは以下の通り。前菜・メインは肉か魚から選べるようになっています。

夜のメニュー

前菜 / メイン / デザート 45€

前菜(Entrée)
・自家製カントリーテリーヌ
・白マグロのセビーチェ、ピクルスとベビーリーフ

メイン(Plat)
・乳飲み仔牛のロースト(サリエット風味のジュと季節の野菜添え)
・小イカのグリル(季節の野菜とカレー風味のジュ)

デザート(Dessert)
・タヒチ産バニラのライスプディング
・ボナ社グランクリュチョコレートのフォンダン
・チーズ盛り合わせ
・イチジクのグラタン

私は魚介で統一しました。そして息子は、安定の“肉担当”です

白マグロのセビーチェ、ピクルスとベビーリーフ

    では早速、素人が乏しい語彙力で感動を語りたいと思います。まずは写真をどうぞ。

    Les Bouteilles 白マグロのセビーチェ

    これがフランス版セビーチェ!私は中南米料理が好きで、セビーチェのように柑橘類のエキスに漬け込む肉料理、カルネ・アサーダ(Carne Asada)を作ったことがあります。しかし、セビーチェは初めて。

    和を感じさせる梅の器にサラッと盛り付けてありますが、ひとくち食べて全身の細胞が震えました。

    レモンライムのマリネ液にほんの少し感じるパクチー。甘味のあるマグロがマリネ液の酸味を纏い、噛むたびに旨みが混ざり合います。うっとりと飲み込んだ後にやってくる、ピリッと痺れる辛さ。その辛さを癒すようにもう一口、もう一口と止まらないのです。

    おそらく中南米ではワイルドな味のはずが、フランスにかかれば、こんなに品が良くなるのですね。食べ終わってしまうのがもったいなかった。

    小イカのグリル(季節の野菜とカレー風味のジュ)

    Les Bouteilles 小イカのグリルと季節野菜のピューレ

    さて、待ちに待ったメインは、バターナッツかぼちゃのピュレの上に、グリルしたイカと野菜、ほんのり魚介出汁のきいたカレー風味のソースがかかっています。

    このお店は、記事の冒頭で紹介しているタランサック市場から道を挟んですぐの立地なのですが、その理由がよーくわかりました。だって、イカも野菜も新鮮!!

    ひょっとするとフランスって、食材の旨みを一番引き出す方法を遺伝子レベルで受け継いでいるのでしょうか。もし自分がイカだったら、ここのシェフに調理してもらいたいほど、焼き具合が完璧でした。息子にも食べさせたら、イカゲソの美味しさにピカーンと開眼しておりました。

    また、カレー風味のソースとかぼちゃのピュレを合わせるのも天才技と言いますか。魚介の旨みだけでなく、このピュレの甘みとソースのおかげで味覚が満たされ、胃袋も大満足でした。

    イチジクのグラタン

    Les Bouteilles 絶品デザート イチジクのグラタン

    これは、私の51年の固定観念を覆した一品であります。

    イチジクは好きじゃないし、メインの後にグラタンとか胃袋的に無理だし。そう思っていましたが、一口食べてひれ伏しました。なんじゃこりゃぁ!!(太陽にほえろって知ってます?)

    程よい甘さの、とろっとしたクレームブリュレはバニラビーンズたっぷり。ちょうどシーズンを迎えたイチジクは、温められたことでカラメルのようなコクのある大人の甘みになり、バニラ味ととても合う!

    これまで何度トライしてもイチジクを好きになれなかったけど、生まれて初めて美味しいと思えました。フランスすごい。

    もちろん、息子が担当した肉料理も素晴らしかったです。

    英語はギリギリ伝わるかな?という感じですが、ナントの人たちは皆、一生懸命コミュニケーションを取ろうとしてくれ、どこかの街と違って皆さんとても親切でした。ワインも、こちらの予算を伝えると、その範囲内で最高のものを提案してくださいます。

    私、このお店に行くためだけに定期的にナントへ通います!


    ナント郊外の大型スーパー : E.Leclerc REZE(ルクレール・レゼ店)

    さて最後は、ナント中心部からトラムで約20分のRezéにある、「地元の人が普通に買い物しているリアル価格」で買えるスーパー。

    E.Leclerc REZE(ルクレール・レゼ店)
    1 rue Ordronneau route de Pornic 44400, Rezé
    月-土 9:00-20:30
    日曜定休

    とにかく広い!そして安い!

    ドイツのスーパーとは比べものにならないスケール感で、生鮮コーナーの品ぞろえはまるで市場そのもの。特に魚介と野菜売り場の迫力は圧巻で、「これがフランスの“普通のスーパー”なのか…」と打ち震えました。

    お土産を買うにも、市街地より2〜3割お得。旅の最終日に立ち寄ると、「ここで全部買っておけばよかった!」ってなるタイプのお店です。

    実はここ、ル・コルビュジエの集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」から徒歩15分弱なんですよ。ぜひ、コルビュジエとセットでどうぞ!

    E.Leclerc REZE 広い鮮魚売り場
    E.Leclerc REZE 市場レベルの新鮮な魚たち
    E.Leclerc REZE 立派な牡蠣も山盛り

    しかも、食品だけでなく、キッチン用品や日用品、服、子ども用品まで全て揃っています。まるで「フランス版ウォルマート」…よりは質が良いかもしれません。キッチングッズは気の利いたものがあれこれ売っていました。いいなーフランス!

    次回のお知らせ

    文字通り食い倒れてきたフランス・ナント旅行でございましたが、実は、今回の旅でちょっとした実験をしておりました。

    それは、SIMカードの比較です。ちょうど数ヶ月後に、2年縛りだったO2との契約が切れるので、このまま更新するか、キャリアの乗り換えをするか、模索中なのです。ドイツのSIM界隈は新しいサービスも登場し、ちょっと面白くなっております。

    次回は、そのあたりの調査報告をしたいと思います。ちょうどSIM買い換えを考えていらっしゃる方、カード型からeSIMへ乗り換えたいと計画を立てていらっしゃる方、お楽しみに!

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