ドイツでタバコは18歳、飲酒は14歳からOKというのは本当。ただし、細かく条件があります。l
法律が変わったことを知らないドイツ人もいたので、現在の法律を調べてみました。
未成年者には年齢ごとに細かくルールが定められています。我が家にも17歳の息子と14歳の娘がいますのでね。ドイツでうっかり法律違反をしないようにしなければ。
ちなみに、ドイツの成人は18歳から。成人になったらタバコ・飲酒、なんでもOKです。
ただしこれは「自己責任でね!」ということなので、タバコやお酒が原因でトラブルを起こせば普通にしょっ引かれるのでご注意を。
ドイツにおける飲酒・タバコのルール
青少年保護法による一覧表
ドイツには青少年保護法 "Jugendschutzgesetz" という法律があり、公共の場における危険や悪い影響から青少年を守るために、アルコールや喫煙、外出時間、労働時間、インターネットアクセスなどにおいて規制がかけられています。
今回は下記リンク先の表を使い、私たち日本人が知っておいた方が良いポイントを訳してみました。
Jugendschutzgesetz Alkohol (アルコールにおける青少年保護法・ドイツ語)
(❌=禁止、🔺=保護者同伴時のみ許可、⭕️=許可)
年齢 | 〜13 | 14,15 | 16,17 |
ビール、ワインの購入・飲酒 | ❌ | 🔺 | ⭕️ |
蒸留酒の購入・飲酒 | ❌ | ❌ | ❌ |
タバコの購入・喫煙 | ❌ | ❌ | ❌ |
一般のバー、ナイトクラブの入店 | ❌ | ❌ | ❌ |
飲酒 - 18歳未満の注意点
以下の点をもう一度確認してください。
- 18歳未満に許可されているアルコールの種類は3種類
ビール、ワイン、スパークリングワインのみ - 上記3種以外の蒸留酒(スピリッツ系)は全面的に禁止
蒸留酒というのは、ジン、ウォッカ、シュナップス、リキュール、グラッパ、ウイスキーやブランデーなど。とにかく最初に挙げたビールなど3種を除くアルコールすべて - 蒸留酒を他のジュースや炭酸水などと混ぜてグラス内の度数を低くしてもアウト!
もし18歳未満の青少年に蒸留酒を販売したり、飲酒を斡旋した場合は罰せられます。バーやクラブの入店等も同じです。
未成年のタバコは全面的に禁止
ここをドイツ人でも勘違いしている人が多いのですが、
18歳未満の喫煙は全面的に禁止(電子タバコなどのニコチンフリーの代替品も含む)←これを知らない人が多すぎる。
ドイツでは16歳くらいでタバコを吸っている子を見かけます。(もっと若い子も…)
しかし、罰が与えられるのはあくまでも未成年に販売した業者や許可した成人。
吸っている本人には何も罰が与えられません。なので、吸う子は堂々と吸っています。SNSでも吸っている姿やタバコを自分で巻いている姿を普通に投稿しています。
そもそもドイツでは1951年から2007年まで、16歳からの喫煙は合法でした。しかも、16歳未満の喫煙は禁止しつつ販売はOKという、ゆるゆるの法律。
その後2007年に未成年(18歳未満)の喫煙が禁止になりました。(このことを知らなくて、16歳から喫煙OKだと思っている人が多いらしい)
2016年以降はニコチンを含むタバコだけでなく、電子タバコなどのニコチンフリーの電子吸入製品などのタバコの代替品も含め、未成年の喫煙が禁止になりました。
また、ドイツ国内すべての学校において、校舎内・学校敷地内のタバコの喫煙と飲酒が法律によって禁止されています。それは学校の敷地外の学校イベントも同様です。
Rauchverbot an Schulen "Kein Platz für die Sucht"
罰金について
青少年保護法は、その名の通り青少年を保護するための法律。
違反した未成年ではなく販売した側、サービスを提供した側、または同席していた大人が罰せられます。
Bußgelder für Verstöße gegen das Jugendschutzgesetz(罰金の金額等)
たとえば、
- 飲食店で蒸留酒を未成年に少量でも与えた場合、最大3,000ユーロの罰金(約48万円)
- 未成年にタバコを許可した場合、最大1,000ユーロ(16万円)
- 未成年をナイトクラブなど入店を許可した場合、最大10,000ユーロの罰金(160万円)
となっています。(レートは2024年1月現在 : 1€ = 約160円)
ベルリンの未成年はゆるい!
あくまでも私の狭い交友関係での話ですが。ドイツがいくら14歳から飲酒OKだとはいえ、実際にガンガン飲ませている家はありません。
しかし、他の州の話を聞く限り、ベルリンの若者は特にゆるゆるのような。娯楽が多いから?
16歳くらいになると、友人宅に集まったときに毎回お酒を飲むグループもあります。(ひえー)
息子のクラスメイトで歳上の子にクラブへ連れて行ってもらってお酒を飲んでいる子もいるそうです。(法律違反)
ある友人の子(未成年)は、毎週末集まってガンガン飲んで吸って(!)楽しんでいるそうです。(法律違反)
ある友人の子(大学生)は、そういう集まりが好きじゃないから近寄らないと言っていました。(いいね!)
いずれにせよ、うちの子の周りにタバコや飲酒を強要したり煽ったりする子がいないことを願うばかり…ドイツってば。
今のところ、息子の仲の良い友人にお酒好きとか喫煙者はまだいないそうです。しかし、すごい文化だわ…。
次回、そんなドイツにおいて我が家はどう線引きしているかについて書いてみました。
他にも、ドイツでの学校教育の様子を赤裸々に語っております。
ドイツにも良いところはあるのですよ!こういうところとか↓