ドイツのバウムクーヘンに敬意を払い、バウムクーヘン好きであることに誇りを持っている、世界各国の同志の皆様。
本日は、ドイツ各地でバウムクーヘンを食い散らかしてきた私のいちばんのお気に入りと、ドイツと日本のバウムクーヘンの違いについて語りたいと思います。
ドイツと日本のバウムクーヘン
バウムクーヘンといえばユーハイム
今から100年以上も前のこと。ドイツのバウムクーヘンが海を渡り日本に紹介されました。
ドイツの菓子職人カール・ユーハイムは第一次世界大戦中に日本に渡り、神戸でバウムクーヘンを焼き始めました。その後、バウムクーヘンは日本で大人気となり、贈り物やお祝いの席には欠かせないお菓子として定着したのです。
もうお分かりですよね?我らがユーハイムの始まりです。
ユーハイムは、2020年からバウムクーヘンの製造においてベーキングパウダーや乳化剤などの添加物を一切使用しない方針に切り替えました。
これは、伝統的な製法への回帰を目指し、品質へのこだわりが表れています。
ユーハイム公式サイト - 添加物を使わないバウムクーヘンへの挑戦
ちなみに私は幼少期から、ユーハイムのバウムクーヘンが一番好きでした。
ホームページを読めば読むほど、正しいお菓子を作っている誇り高き会社だということがよくわかります。リスペクトが止まりません!
次に帰国したら絶対に神戸の本店でショートケーキを食べたい。
ドイツのバウムクーヘンに関する法律
なんと、ドイツには、バウムクーヘンの製造に関する法律があるのですって!
バウムクーヘンはドイツで特別な伝統菓子です。その伝統を守るために「菓子製造基準」によって材料や製法が細かく規定されているのです。
小麦粉、卵、砂糖、バターの使用が必須、比率まで指定されています。
一方、ベーキングパウダーなど人工的な添加物の使用は禁止されています。この法律のおかげで、バウムクーヘンの高品質が保証されているわけです。
日本の功績
日本では多くの企業がバウムクーヘンを生産し、抹茶やメープルシロップなど、様々なフレーバーを取り入れた独自の商品を展開しています。
この独自性が功を奏し、日本は現在、世界最大のバウムクーヘン生産国となりました。
しかし、ベーキングパウダーや多くの添加物を使用しているものが多く、ドイツにおけるバウムクーヘンの基準を満たしていません。
このようなアレンジや大量生産は、伝統を重んじるドイツからどう映るのでしょうか。
実は興味深いことに、ドイツで概ね好意的に受け入れられているようです。その様子は、製菓業界の専門情報サイトの記事にも伺えます。
Wissensforum Backwaren - Baumkuchen: Der König der Kuchen(ドイツ語)
私がドイツで推しているバウムクーヘン
Himmelsbäckerei (ヒンメルズベッカライ): ドレスデン
私がドイツで一番美味しいと思ったバウムクーヘンです。
Himmelsbäckerei のバウムクーヘンは、しっとりどっしりとした食感とほのかな柑橘系の香りが特徴。もちろん伝統製法のバウムクーヘンです。
特にレモンとオレンジの風味がアクセントとなり、一口食べると手が止まらなくなります。ワインにも合うし、最高。
このバウムクーヘンは、ドレスデンの聖母教会 (Frauenkirche)近くのNeumarktというエリアで開催されるクリスマスマーケットで販売しています。
初めてここを訪れた時に、直火で焼いた作りたてのものを食べて、とても感動したのでした。
もちろん、他のクリスマスマーケットでも直火焼きのバウムクーヘンは売っています。
そしてもちろん、私は見かけたら必ず食べます。でも、ここがいちばん美味しいのです!(個人の感想)
Neumarktのクリスマスマーケットは12月23日まで開催されていますが、前日に閉店するお店もあるので、バウムクーヘン好きな方は早めに行かれた方が良いかと。
Neumarkt (google map)
Rabien(ラビーン): ベルリン
もちろん、ベルリンにも伝統製法のバウムクーヘンがあります。
Rabienは地元で長年愛され続けている伝統的な製菓店。行列ができるほどの人気店で、私も日本へのお土産としてよく購入します。
ここも添加物を一切使用せず、古典的な焼き方を守り続けています。シンプルな味で、とても美味しいですよ。
ドイツ国内の配送もあります。また、日本へ持っていくと伝えると、崩れないように包んでくれます。
他にも季節限定の焼き菓子やケーキも販売しており、カフェ店内で飲食も可能。
でも、やはり一度はヒンメルズベッカライのバウムクーヘンを試していただきたい!
まとめ
Himmelsbäckerei Hultschのバウムクーヘンは、私がこれまで試した中で一番のお気に入りです。
基本的にクリスマス時期にしか作っていません。ですが、シーズンオフでも電話をすれば作ってくれることがあります。受注生産なので、注文してから店頭での受け取り、もしくは発送まで1日以上かかります。遠方の方はぜひコンタクトを取ってみて下さい。
D村にも、ドレスデンにも、バウムクーヘン発祥と言われるあそこにも、人気のバウムクーヘンは売っていますが。
有名なだけあってそれなりに美味しいのですよ!でも、なんか食感も味の深みも足りないのです。原材料を見ると、コーンスターチや乳化剤、保湿剤などがしっかり入っているのですよね。
せっかく食べるのなら、それらが存在しなかった時代の材料で作ったものを食べたい。
だから、Himmelsbäckereiをイチオシしております。
以上、バウムクーヘン好きによる、バウムクーヘン好きのための特集でした。
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