2016年9月から新4年生としてベルリンの小学校へ通い始めた息子が、6年生の卒業を待たずに5年生からギムナジウムへ入学する決意をした理由、中編であります。(前編はこちら)
ま、結論から言うとですね、理由の「アレ」とは担任の先生のことなんですわ。
この先生は50代のいわゆる「典型的な古いタイプのドイツ人女性」でして、おそらく
毎朝、同じ時間に起床して
毎朝、同じ朝食をとって
毎朝、同じ時間に家を出て
毎日、同じ時間に学校を出て
毎日、同じ時間に夕飯を食べて
毎晩、同じ時間にベッドに入り
毎晩、同じページ数だけ本を読んで
毎晩、同じ時間に眠りにつく。
ってことを365日繰り返しているようなタイプの女性。(本当にいるんですよ、ドイツにはこういう人が!)
自分の「常識」とする枠からはみ出ることが嫌い、自分のペースを乱されることが嫌いな女性なんだろうなーと、彼女の言動からなんとなくわかったんです。間違いなく子供嫌いなんでしょうし。彼女からは子供の意思を尊重する心や愛情が全く感じられません。
息子はその先生から一方的に罪を押し付けられ言い分を全く聞いてもらえなかったり、クラス全員の前で晒し者にされるようなことを言われたり、数え切れないほどの嫌な思いをさせられました。(ちなみに現在進行中)
もちろん息子だけがターゲットにされたわけではありませんが、新しくクラスに入ってきて大人しくしていた息子は、彼女にとって機嫌が悪い時にあたりやすい存在だったのでしょう。
私が個人面談した時も嫌味を言われ、決して良い印象は持てませんでした。
前の担任がとても良い先生だったので落差が激しく、息子は学校へ向かう時に憂鬱な顔をするようになりました。私はその姿を見ていて「大丈夫だよ」なんて軽々しく言うことができませんでした。実際はらわた煮え繰り返っていましたしね。
悩んで悩んで、よっぽど校長先生にチクろうかと思いましたが、この小学校では4年生から6年生までの3年間は担任が変わりません。校長に言ったところでこの先生の本質が変わるわけでもないし結局3年間はこの人と付き合わなければならない。悩んでいた時に、ふと「そっか、5年生からギムナジウムに行くという選択肢もある」と思い出したんです。
そこで息子に相談してみました。そうしたら即答で「行きたい!」と。
「ぼくは科学や化学が好きで、いろんなことを本から学んだけど、もっと自分で実験してみたいしいろんなことを知りたい!」なんて親バカ心をくすぐるようなことを言いやがるんですよ。
その頃はもう10月になっていて、5年生からギムナジウムに行く予定の子たちは志望校を決めている時期です。でも私はベルリンに来てまだ2ヶ月強で、ベルリンのギムナジウム事情なんて全くわかりませんでした。
慌ててギムナジウムのことを少しずつ調べました。でもネットの情報だけでなく、移民、できれば日系人やアジア人から直接情報を聞きたいのに自分にはまだそういう友人がベルリンにはいない。もちろん担任の先生には相談したくない。
そんな状況の時に娘は娘でクラスメイトとの人間関係で問題が浮上しそっちはそっちで心配で、あの頃は本当に頭と心がパンクしそうでした。
もう自分の力では限界。これは必殺技「条件書き」をするしかない!というわけで書きましたよ、ギムナジウムの条件を。(私は目的達成までの手段方法が見つからない時によく条件書きをするのです)
そんなこんなであっという間にひと月が経ち、11月のある日のこと。手詰まりだった私にとうとうネ申が降臨したのでした。
(後編へ続く)